【対局者あいさつ】
「私は昨年も掛川で対局させていただきました。そのときに▲5七玉という反響の多い手を指しました。その後の指し方がうまくいって勝つことができて有名になって、升田幸三賞を受賞することができました。自分なりに成算のある手で、ミスもなく満足いく内容の将棋を指せた、記憶に刻まれる思い出の地の一つとなりました。
昨年は前夜祭で名産品をはじめ、いただきものをいたしまして感激しました。掛川は掛川茶やフルーツが有名でして、中でもキウイが名産と昨年知りました。私自身、キウイが好物でして印象に残りました。それで今日はネクタイをお茶やキウイの色に合わせてきました。
今回の挑戦者の渡辺竜王は棋王戦も挑戦者になり、充実している印象があります。自分なりに全力を出し切って、皆さんに喜んでいただける内容を目指して結果がついてくればと思う。ファンの皆さんの期待も大きいですので精進して一生懸命戦いたいです」
「私自身は初めての七番勝負ですが、62期という歴史と伝統のあるタイトル戦に出場できてうれしく思います。王将戦は子どものころから見ている棋戦で、一度は出てみたいと思っていました。
非常にユニークな試みのある棋戦なので、そういうところに楽しみを見いだせたらと思います。今日も下見の際に、よろいとかぶとを身に付けて撮影しました。こういうものを楽しみにしております。
茶室を下見しましたが、風情のある静かな場所で、お茶が素晴らしいということでそのお茶をいただきながら対局できるのは棋士冥利につきます。
佐藤王将に挑戦するわけですが、昨年の▲5七玉は見ていて男らしい手と感心していました。今回もギョッと驚く手が出てくると思うので十分に警戒したいと考えています。
余談ですが、趣味が競馬でして、スポニチさんはもちろん毎日新聞さんも夕刊に大きく扱っていまして、全国紙では他にないことだと思います。そんなこともあって王将戦には一度出たいと思っていました。それが叶ったので張り切って指したいです」