2013年1月

2013年1月14日 (月)

Kif77

前期第1局、佐藤康王将は三段目の玉(▲5七玉)で勝利を手にしました。本局はさらに上、五段目まで上がっています。しかし前期と違って本局は▲3七「同」玉~▲3六「同」玉~▲3五「同」玉と、相手に強制された結果の中段玉。前期とは事情が異なります。渡辺明竜王が盤上をコントロールしています。

Kif72

先手玉に王手がかかった局面で佐藤康王将が考えています。中座七段、阿久津七段ともに後手持ちの見解です。控え室では「受けがない」という声もあります。佐藤康王将にとっては苦しい長考かもしれません。15時15分ごろ、記録係が佐藤康王将に「残り30分です」と告げました。


F014

130113_71図は71手目▲4八金まで。渡辺竜王が熟考しています。控室では中座七段が△3六歩を検討。ニコニコ生放送の阿久津七段も指摘しています。
△3六歩以下▲同銀△2四桂▲3五歩△3六桂▲同玉△4七銀▲同金△3五飛▲同玉△4七馬(参考図)が一例。飛車をバシッと捨てる強襲。守り駒のない先手玉は詰めろではありませんが、受けは難しい状況です。放っておくと△5三銀が詰めろになります。中座七段は「自分の読みでは受けが分かりません」と話します。
130113_sanko3参考図以下▲4九飛は△3四歩▲4五玉△4四歩▲同角△4八歩(参考2図)が軽妙な手順。次いで▲同飛寄△同馬▲同飛△3三銀となれば後手の攻めは途切れませんし、守りもしっかりしています。
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Kif68

対局再開から△2四飛▲2五歩△同桂▲2六歩△3七桂成と進んで図の局面。あっという間のできごとでした。渡辺明竜王の指し手の早さをみた中座七段は「自信があるのでしょうね」。桂損の攻めですが手が続けば後手の堅陣が光ります。


 

13時30分、両者ほぼ同時に入室。渡辺明竜王は休憩が明けても長考すると見られていましたが、すぐに△2四飛を着手。決断の良さが目立ちます。
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(竜王の手がさっと伸びる。王将の前に△2四飛が現れた)

130113_63_2中座七段に昼食休憩時の局面の見解を聞きました。
「馬が大きいと思いますが、歩が少ないので手ができるかどうか。△2四飛なら激しくなる可能性が高いですが、馬を自陣に引きつければ緩やかになります。ここでの指し手が局面の流れを決めそうです。
佐藤王将の長考が目立ちますね。局面を誘導していたのは佐藤さんでしたが誤算があったのかどうか。
横歩取りのような展開ですが、私は先手の形とは戦ったことはありません。2八飛・3八玉の並びが珍しいですね。
現在の局面は後手を持って指してみたい。桂を手持ちにして攻めの幅が広がりましたから」