前期第1局、佐藤康王将は三段目の玉(▲5七玉)で勝利を手にしました。本局はさらに上、五段目まで上がっています。しかし前期と違って本局は▲3七「同」玉~▲3六「同」玉~▲3五「同」玉と、相手に強制された結果の中段玉。前期とは事情が異なります。渡辺明竜王が盤上をコントロールしています。
前期第1局、佐藤康王将は三段目の玉(▲5七玉)で勝利を手にしました。本局はさらに上、五段目まで上がっています。しかし前期と違って本局は▲3七「同」玉~▲3六「同」玉~▲3五「同」玉と、相手に強制された結果の中段玉。前期とは事情が異なります。渡辺明竜王が盤上をコントロールしています。
図は71手目▲4八金まで。渡辺竜王が熟考しています。控室では中座七段が△3六歩を検討。ニコニコ生放送の阿久津七段も指摘しています。
△3六歩以下▲同銀△2四桂▲3五歩△3六桂▲同玉△4七銀▲同金△3五飛▲同玉△4七馬(参考図)が一例。飛車をバシッと捨てる強襲。守り駒のない先手玉は詰めろではありませんが、受けは難しい状況です。放っておくと△5三銀が詰めろになります。中座七段は「自分の読みでは受けが分かりません」と話します。
参考図以下▲4九飛は△3四歩▲4五玉△4四歩▲同角△4八歩(参考2図)が軽妙な手順。次いで▲同飛寄△同馬▲同飛△3三銀となれば後手の攻めは途切れませんし、守りもしっかりしています。
対局再開から△2四飛▲2五歩△同桂▲2六歩△3七桂成と進んで図の局面。あっという間のできごとでした。渡辺明竜王の指し手の早さをみた中座七段は「自信があるのでしょうね」。桂損の攻めですが手が続けば後手の堅陣が光ります。
中座七段に昼食休憩時の局面の見解を聞きました。
「馬が大きいと思いますが、歩が少ないので手ができるかどうか。△2四飛なら激しくなる可能性が高いですが、馬を自陣に引きつければ緩やかになります。ここでの指し手が局面の流れを決めそうです。
佐藤王将の長考が目立ちますね。局面を誘導していたのは佐藤さんでしたが誤算があったのかどうか。
横歩取りのような展開ですが、私は先手の形とは戦ったことはありません。2八飛・3八玉の並びが珍しいですね。
現在の局面は後手を持って指してみたい。桂を手持ちにして攻めの幅が広がりましたから」