2015年8月17日 (月)

最後は塚田九段、豊川七段、安食女流初段による「対局の見どころ」。

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塚田 「広瀬八段は3連敗でなかったので少し気が楽になったのではないと思います」

豊川 「すみません、今日は緊張してしまって。先生、明日の戦型はいかがですか」

塚田 「これまで相居飛車の戦いでしたが、広瀬八段の四間飛車穴熊ではないかと思います。しばらく封印していますが、出してくるのではないかと」

豊川 「僕は矢倉だと思います。横歩取り△8四飛型、角換わり、横歩取り△8五飛戦法と違う戦型が出てきました。ところで、ちょっと調べてきたのですが、羽生王位は王位戦で先手のときは62勝22敗なんです。後手のときは59勝34敗。ところがここで驚愕の事実。対局者がいないので言ってしまいますが、広瀬さんは先手のときに26勝9敗で、羽生さんよりも勝率が高いんです。でも、明日は後手番。で、後手番は14勝13敗。羽生さんの先手と広瀬さんの後手では勝率が2割も違うんです。だけども、羽生さんは広瀬さんや豊島さんら若手相手に連戦が続いて、暑い夏に大変ではないかと思います。広瀬さんは20代。前回の対局は終盤のうっちゃりでした。 第4局は大事な一戦。ここを勝った方がこのまま番勝負も制するのではないかと思います。安食さんの予想はいかがですか」

安食 「広瀬さんはスタイルを変えられていますが、私は振り飛車党なので、振り飛車穴熊を見てみたいなと思います」

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豊川 「私は家からランボルコギーニ、いや自転車で来たんですけど、福岡へ来るまでのお二人の印象はいかがでしたか」

塚田 「飛行機の席が別々だったので、特別どうこうはなかったのですが、トイレから帰ってきたときに羽生さんの席を見たら、本を読んでいたんですよ」

豊川 「まさか、コミックなわけはないですよね。チェスの本ですか」

塚田 「正解。たぶん英語の本だったと思います」

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安食 「飛行機に荷物を預けるときに、広瀬さんと一緒になって話をしたんですけど、マイペースで普段と変わらない様子でした。大勝負を前にしている感じではなかったです。リラックスした感じで」

塚田 「前回勝ったのは大きいと思います。あの勝ち方は大きい。1勝2敗でもいい配置。次に勝てば負け負け勝ち勝ちでいい流れですから」

豊川 「あさって、ここで14時から大盤解説会を担当します。すごい将棋になりそうです。羽生さんはチェスの本を読んでいるふりをして、詰将棋を解いていたかもしれませんよ」

(文章書き起こし:銀杏記者、写真:夏芽)


以上で本日の更新は終了いたします。明日は9時から対局開始です。明日も王位戦中継サイトをよろしくお願いします。

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◆羽生善治王位の挨拶◆

「王位戦は全国各地を転戦するので、必ず九州も来ています。非常に将棋が盛んだと感じています。 2日制、8時間の対局で1手の重みや大切さをかみしめて対局に臨んでいます。対局の2日目に大盤解説会が行われます。夏休みの時期でもありますし、小さいお子さんから年配の方まで楽しめるのが魅力です。ファンの皆さまに楽しんでいただけるように気迫のこもった将棋を指したいと思います」

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◆広瀬章人八段の挨拶◆

「福岡は私も将棋が盛んなイメージがあります。福岡出身の棋士や在住の棋士が多く、普及熱心な指導員の方が多いことが要因かと思います。私は2年前の王位戦対局では、副立会人としてきました。そのときに小学生と3面指しをしたのですが、とても将棋が強く、礼儀正しかったんです。普及の指導が行き届いていると強く感じました。そのときは副立会人でしたが、対局者として来ることができました。2年前に関係者やファンの方に「挑戦者として来てください」と言われて、「はい、頑張ります」と答えましたが、現在の棋界は各世代で強い方ばかりなので、実際のところ挑戦者として来られるかどうか分からないと思っていました。ですので、こうしてこの場に立っていられることを光栄に思っています。七番勝負も第4局とあって、中盤戦、そして終盤戦に差し掛かってきました。これからは1局の勝敗の重みがより増してきます。自分の力を出し切って、力いっぱい戦いたいと思います。七番勝負のゆくえは分かりませんが、全国のファンの方に納得していただけるような将棋を指したいと思います」

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(博多織工業組合理事長・寺嶋貞夫様からの記念品贈呈)

二人への記念品として、770年以上の歴史を持つ日本でも代表的な伝統工芸品である博多織で制作したネクタイが贈呈されました。1600年に黒田長政が筑前を領有するようになってから、幕府への献上品として毎年3月に博多織が献上されるようになりました。贈呈されたネクタイは博多織で制作し、献上柄が入っています。献上柄は真言宗の独鈷と華皿をあしらった模様が入っているのが特徴です。

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(花束贈呈。ここで両対局者は前夜祭をあとにした)

(挨拶文書き起こし:銀杏記者、写真:夏芽)

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(左から藤田彰一三段、塚田泰明九段、羽生善治王位)

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(同じく左から広瀬章人八段、豊川孝弘七段、安食総子女流初段、島朗九段)

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◆日本将棋連盟常務理事・島朗九段の挨拶◆

「福岡は社交辞令でなく、いろんな意味でファンの方の熱さ、実業界での皆さまの応援、指導者の皆さま、子供たちの良さはそれぞれ突出しているのではないかと思います。2-1で佳境を迎えた一局です。世代間の戦いですが、清潔感のあるお二人の対局を見ていただけるのが対局者の励みになると思いますが、塚田さんや豊川さんが盛り上げ、安食さんのスマイルで解説会も楽しくなると思います。羽生さんと広瀬さんの戦いは最初に辛抱して、最後は美しい九州を疾走する「七つ星」のような素晴らしい終盤戦を毎局見せてくれます。ファンの皆さまには魅了されてほしいと思います」

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(日本将棋連盟福岡県支部連合会会長・原田義昭様による乾杯の音頭)

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(挨拶文書き起こし:銀杏記者、写真:夏芽)

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◆川崎隆生・西日本新聞社代表取締役社長◆
「福岡で王位戦第4局が行われるのは3年連続になります。日本シリーズでも偶数の2戦目と4戦目が大事といわれています。明日からの将棋でどちらが勝つか大きな位置を占めていると思います。広瀬八段の王位戦登場は4年ぶり、羽生王位は5連覇を目指しています。これまでの3局を見ても、緊迫した勝負が続いています。羽生先生の時代の次に、広瀬先生の時代が来てほしいと思いながら、いい戦いを期待しております。王位戦は56期続いています。60期、70期と続けていきたいと思っています」

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◆落合稔彦・福岡市経済観光文化局理事◆
「多くの注目集まる七大タイトルの王位戦の対局が福岡で行われることは大変よろこばしいことであります。王位戦開催に尽力された関係者に厚く御礼を申し上げます。明日対局される二人は4年前にも王位戦で対戦され、第7局までもつれ込む大接戦を繰り広げられました。今回も接戦となっており、明日からのこれからの行方を左右する重要な勝負になると思います」

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◆唐池恒二・九州旅客株式会社代表取締役会長◆
「広瀬八段は5年前に、第51期の王位になられました。現王位と元王位の対戦で、わくわくする対局が予想されます。私は毎週NHKの将棋フォーカスを見ていますが、お二人の講師の番組を熱心に見ていました。一人は豊川七段。笑うに笑えないジョークの中でためになる講座をしてくださり毎週拝見していました。その前に講師を担当されていたのが広瀬八段でした。広瀬八段の講座は私からすると高段者向けで内容の濃い講座でしたが、楽しく見ていました。明日からの第4局は楽しみな将棋です。ここまで羽生王位2勝、広瀬八段1勝で、興味津々であります。名勝負を期待したいと思います」

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(対局者、並びに対局関係者紹介)

(挨拶文書き起こし:銀杏記者、写真:夏芽)