2025年7月15日 (火)

中の坊瑞苑は王位戦と馴染みが深く、七番勝負の開催は今期で43期目となります。昨年、藤井王位はこの地で第5局を戦って防衛に成功。5連覇を達成し、永世王位の称号を獲得しました。
Img_9437(おみやげ処)
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Img_9434(番勝負開催の記念撮影は、屋外で撮られる場合が多い。昨日はあいにくの雨で撮影は室内だった)

2025071571上図▲9四角成は、午後のおやつの時間となる15時頃に指されました。永瀬九段はここまでほとんど時間を使わず指し続けていましたが、馬捨てを見て手を止め、本局で初めてまとまった時間を投入しています。△9四同香以外に、△2八桂成と捨てて先手陣を乱す手段もあるようです。しかし、船江七段は「▲2八同金で飛車先が通るため、お手伝いになる懸念もあります」と見解を示しました。
2025071574そして15時30分、約30分を消費して△2八桂成と捨て、▲同金に△9四香と局面が動きました。現状は▲銀△角の交換ですが、▲9五歩から香を取りきれれば、先手の2枚換えに駒割りが変わります。

Img_9644(検討を続ける船江七段)

15時を回って、午後のおやつが出されました。藤井王位は紅茶とオレンジのベリーヌ、アイスレモンティー。永瀬九段はカルマ、マンゴジュース、パインジュース、アイスミルクティー。永瀬九段の頼んだカルマはチョコレートムース。中にはバニラブリュレとフランボワーズソースが入っています。
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中の坊瑞苑は、明治元年(1868年)に梶木源治郎が温泉旅館「中の坊」を譲り受けたことから始まった、有馬温泉を代表する老舗旅館です。有馬温泉自体は日本三古泉(愛媛県の道後温泉、和歌山県の白浜温泉)のひとつとして知られ、古くから多くの人々に親しまれてきました。中の坊瑞苑は創業以来150年以上にわたり、伝統と革新を重ねながら発展を続けています。戦後の一時休業や阪神・淡路大震災など幾多の困難を乗り越え、1979年には現在の「中の坊瑞苑」として新たにオープンしました。著名人も数多く宿泊することでも知られています。近年はリニューアルを重ね、上質なおもてなしと大人のための静かな空間を提供し続けています。
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2025071554図の局面で12時30分となり、1日目の昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲藤井2時間39分、△永瀬21分。昼食の注文は、藤井王位は神戸牛すき鍋膳、永瀬九段は神戸牛肉うどん膳の大盛り。いずれの注文も世界的ブランド「神戸牛」を使用したもの。牛肉うどん膳はかつお節やさば節から取っただしに、神戸牛のうまみが広がります。通常の注文では大盛り対応は行っておらず、本局で特別に用意されました。藤井王位の神戸牛のグラム数と比較すると、永瀬九段のものは倍量になっているようです。対局再開は13時30分です。
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