2025年7月30日 (水)

2日目の対局が始まりました。封じ手は▲6五同歩です。

Dsc_4309(8時39分、永瀬九段が入室)

Dsc_4330(藤井王位は49分に入室した)

Dsc_4366(まずは駒を初形に並べる)

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Dsc_4388(吉田三段=中央左の棋譜読み上げにしたがい、1日目の指し手を再現していく)

Dsc_4452(島九段が封じ手を開封。▲6五同歩だった)

2日目の朝を迎えました。千歳市は曇りときどき晴れ。予想最高気温は昨日より少し下がるようです。2日目のスケジュールは以下の通りです。

09:00 対局開始
10:00 午前のおやつ
12:30 昼食休憩
13:30 対局再開
15:00 午後のおやつ+現地解説会開始

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2025年7月29日 (火)

Dsc_4262(棋譜を確認する藤井王位。永瀬九段は別室で封じ手を記入している)

Dsc_4275(封じ手を収めた封筒2通を手にして永瀬九段が戻った)

Dsc_4281(藤井王位が封筒に署名を入れた)

Dsc_4288(封じ手は永瀬九段から島九段に託された。1日目が終了)

250729_045_2▲9六歩△9四歩▲8八銀で図。先手の7七銀は△6五歩▲同歩△同桂が当たるため、▲8八銀から▲8七銀と立て直したいところでした。しかし、▲8八銀に△6五歩▲同歩△7五歩▲8七銀は△7四銀で後手が指せそうです。

阿部健七段は「△6五歩▲同歩△7五歩が絶好です。すぐに指すんじゃないですか」と話し、検討の駒音も高くなりました。島九段は「いやいや、ここは冷静に」と苦笑い。

さて実戦は、というと、阿部健七段の予想が的中。藤井王位はわずか3分で△6五歩を指しました。少考で決断したのですから、後手は相当に自信がありそうです。島九段は「いきなり決戦ですか。驚きました。俄然、面白くなりましたね」と話しました。

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250729_042▲4六銀に△3四歩が指されました。これも検討に出ていた手で、▲4六銀をとがめています。▲4六銀に代えて▲3六銀であれば、△3四歩は▲4六角で効果はありませんでした。

先手が攻めるなら▲3五歩ですが、「それなら後手はかなり読みやすい」と島九段は話します。例えば▲3五歩△6五歩▲同歩△同桂▲6六銀△8六角▲同角△同飛▲8七歩△8一飛には▲3四歩になりそうです。これまで検討に出てきた変化では、△8一飛に6五桂を食いちぎってから▲3五桂といった強い攻めも可能でした。それと比べて▲3四歩は明らかに甘く、後手は△6九角と攻める手もありそうですし、△6四歩と力をためても指せそうです。

先手は▲3五歩を指せるのか。もし指せないなら、先手から厳しい攻めは見当たりません。となれば、△6五歩を緩和するしかありませんが、それが極めて難しい。▲8八玉は8筋の突き捨てを生かされそうで、かえって危険。▲9六歩も受けに役立つのかどうか。

このまま封じ手になる可能性も十分にあります。永瀬九段は残り時間に余裕があるため、仮にこのまま封じ手にしても、大きな時間差はつきません。島九段は、この攻防の成否に注目しています。「二人でいま、まさに生きた定跡を作っている、という感じがします。矢倉対雁木の戦いにおいて、今後の指針になりうる将棋です」と話しました。

Dsc_4247(モニター前で解説する島九段)