▲永瀬-△藤井聡戦は88手で藤井王位が勝ちました。終局時刻は18時6分。消費時間は▲永瀬7時間53分、△藤井7時間28分。藤井王位はシリーズ成績を3連勝とし、防衛まであと1勝としました。第4局は8月19、20日(火・水)の両日に福岡県宗像市「宗像ユリックス」で行われます。
2025年7月30日 (水)
後手勝勢
△2七銀打(図)は先手玉から遠い場所を攻めているようですが、先手にとって2八飛は7八金に次ぐ重要な守り駒ですから、この飛車を取ってしまうのが寄せの近道です。後手は自玉の守りも深く、▲5三金から▲5四角とされても△2三玉から△1二玉まで逃げ込めます。後手は攻防ともに死角なし、勝勢を築きました。
制圧開始、後手優勢
1図から▲3七角△6六歩▲同金△3二玉▲6四銀△6五桂▲5三歩△3六銀▲4八角△5六歩と進みました(2図)。
上記手順のうち、△3二玉以外は後手の駒が前進する手です。このままだと後手が中央を制圧する可能性が高く、中央を制圧すれば、壁形の先手玉はひとたまりもありません。△5七歩成~△4八と~△4七銀成~△4六角の王手飛車取りまで見えています。藤井王位が的確な指し回しでリードを広げました。阿部健七段も後手優勢と判断しています。2図で▲5六同金には△4七銀不成が両取りで激痛です。
先手は上記手順中で△6六歩に▲同銀から▲8七銀、あるいは△3二玉に▲8七銀としたかったのですが、▲8七銀には△8五歩が厳しかったのだと思われます。壁銀を立て直すチャンスがありませんでした。