お~いお茶杯第65期王位戦七番勝負第2局 Feed

2024年7月17日 (水)

対局場の「湯元 啄木亭」は北海道の三大温泉郷に数えられる湯の川温泉にあるホテルです。最上階の露天風呂からは函館の景色が楽しめます。函館空港から車で約10分の距離にあり、近くには日本で最も長い歴史を持つ競馬場の函館競馬場があります。ホテルに入って正面に見える庭園は1924年(大正13年)に実業家の松岡陸三が築いたもので、今年は100周年の節目になります。

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戦型は相掛かりになりました。第1局の千日手指し直し局と同じ戦型であるだけでなく、局面も7七桂(23手目)まで同一なので驚かされます。森内九段によると、▲7七桂はAIの評価が下がる手とのこと。「渡辺九段は先手がやや損しているのを承知で持ち時間が少ないならとぶつけたのかなと思っていましたが、どうやら一時的に評価値が下がっても先の先でやりたい手があるという深い構想のようですね」と話します。

2024071723 第1局の千日手指し直し局は△3四歩▲2二角成△同銀▲8二角△9三香▲2六飛と進み、後に▲7五歩~▲8六飛を実現させて渡辺九段がペースを握りました。森内九段は△7六飛が自然だと予想しています。「おそらく第1局は藤井王位の持ち時間が少なく、△7六飛は相手の術中にハマってしまうと判断して△3四歩としたと思うのですが、渡辺九段がうまく立ち回って優位を築きました。本局は第1局と違って時間もありますし、藤井王位も研究しているはずなので△7六飛なのかなと思います」。藤井王位の指し手は△7六飛でした。渡辺九段は第1局のリベンジなるでしょうか。

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今期七番勝負で藤井王位は5連覇と永世王位の資格を、渡辺九段は王位初戴冠を目指します。永世王位は連続5期または通算10期で有資格者となり、これまでに大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、羽生善治九段がいずれも連続5期で達成しています。大山十五世名人は第1期から第12期まで12連覇を成し遂げ、通算12期。中原十六世名人は第14期から第19期まで6連覇、通算8期。羽生九段は第34期から第42期まで9連覇、通算18期の記録を持っています。

本局の観戦記は相崎修司さんが担当します。北海道新聞・東京新聞・中日新聞・神戸新聞・徳島新聞・西日本新聞の各紙に掲載されます。今日の北海道新聞には、内田晶さんが執筆した第35期女流王位戦五番勝負第2局の観戦記が掲載されています。福間香奈女流王位に加藤桃子女流四段が挑戦したシリーズ。使われた駒の珍しい書体について触れられています。1面の「卓上四季」も将棋の話題です。

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