第60期王位戦七番勝負第6局
2019年9月10日 (火)
木村九段が踏み込む
図は16時35分頃の局面。▲7四歩までの消費時間は▲木村7時間1分、△豊島6時間58分(持ち時間は各8時間)。いよいよ両者の持ち時間が残り1時間ほどになりました。
37分の考慮で指された▲7四歩は桂を跳ねてこいという強い手。木村九段が決着に向けて踏み込みました。
高野智四段の見解
図は15時40分過ぎの局面。▲7六金までの消費時間は▲木村6時間24分、△豊島6時間44分(持ち時間は各8時間)。
高野智四段に現局面の見解と形勢を聞きました。
「1手前の△5四桂は△6六桂打の狙いも見えますが、それよりも▲4六銀と引かせたくないという意味だと思います。形勢は先手持ちですが……そうですね、6対4と7対3の間ぐらいでしょうか。優勢ですが、勝つまではまだ大変という印象です」(高野智四段)
▲7六金が指される前に高野四段が読んでいた順は▲7四歩△6五桂▲7六金と桂を跳ばせて取りにいく順でした。桂を呼び込むためリスクのある順で「実戦的にはやりづらい順ですが、これでも指せそうです」と高野四段は見ていました。
実戦の▲7六金は、次に▲7四歩を見せている手。先に▲7四歩と打つ順よりは柔らかい手と言えそうです。