第60期王位戦七番勝負第6局 Feed

2019年9月10日 (火)

69図は16時50分頃の局面。▲8五金までの消費時間は▲木村7時間11分、△豊島6時間59分(持ち時間は各8時間)。
木村九段は▲7五飛打から▲8五金と相手の攻め駒を根こそぎ取りにいく方針に出ています。

Img_7034 控室には出口若武四段が来訪した。

Img_7030 西山朋佳女王(右)と中村真梨花女流三段(中央)も来訪。対局が佳境を迎えるとともに控室も賑やかになってきた。

65図は16時35分頃の局面。▲7四歩までの消費時間は▲木村7時間1分、△豊島6時間58分(持ち時間は各8時間)。いよいよ両者の持ち時間が残り1時間ほどになりました。
37分の考慮で指された▲7四歩は桂を跳ねてこいという強い手。木村九段が決着に向けて踏み込みました。

63図は15時40分過ぎの局面。▲7六金までの消費時間は▲木村6時間24分、△豊島6時間44分(持ち時間は各8時間)。
高野智四段に現局面の見解と形勢を聞きました。
「1手前の△5四桂は△6六桂打の狙いも見えますが、それよりも▲4六銀と引かせたくないという意味だと思います。形勢は先手持ちですが……そうですね、6対4と7対3の間ぐらいでしょうか。優勢ですが、勝つまではまだ大変という印象です」(高野智四段)

▲7六金が指される前に高野四段が読んでいた順は▲7四歩△6五桂▲7六金と桂を跳ばせて取りにいく順でした。桂を呼び込むためリスクのある順で「実戦的にはやりづらい順ですが、これでも指せそうです」と高野四段は見ていました。
実戦の▲7六金は、次に▲7四歩を見せている手。先に▲7四歩と打つ順よりは柔らかい手と言えそうです。

Img_6678 陣屋の源泉。飲泉許可が出ている貴重な源泉だ。

15時過ぎ、対局者におやつが運ばれました。注文は木村九段が「ショートケーキ」と「アイスコーヒー」、豊島王位が「練り切り」と「抹茶」です。

Img_7021 ショートケーキとアイスコーヒー。

Img_6928 練り切りと抹茶。

Img_7025 おやつの食レポは佐々木勇七段がお仕事中のため高野智四段にバトンタッチ。
「え、私が食べちゃっていいんですか?」(高野智四段)
「弟弟子の食べ過ぎが心配なので、高野くんが食べてくれたほうがいいんです」(勝又六段)

57_2図は14時40分頃の局面。ここまでの消費時間は▲木村6時間2分、△豊島6時間6分(持ち時間は各8時間)
検討陣は△3七歩成にすぐ▲7八飛を予想していましたが、木村九段は▲3七同桂△5五角に▲7八飛としました。次に△3七角成と王手で桂を取られるため損に見えますが、以下▲4八金△1九馬に▲4六銀(参考1図)が好手と控室の勝又六段。
▲4六銀は▲3九飛の馬金両取りを見せつつ、馬筋を止めて▲8二飛や▲8二角の狙いも作っている。
「なるほど▲4六銀がぴったりなんですね。その局面は後手が三枚換えの駒得ですが、それでも先手を持ちたいです」(勝又六段)

61Img_7014 控室には木村九段の愛弟子の高野智史四段が来訪した。

Img_7004 佐々木勇七段による現地大盤解説会が14時過ぎに始まった。

Img_7002 聞き手は王位戦観戦記者の相崎修司さんが務めている。

Img_701014時15分の時点で197人の入場者がいて、開始早々に立ち見が出るほどの大盛況に。陣屋での大盤解説会では過去最多とのことだ。