決戦の予感 ▲7七銀から▲8八飛の仕掛けが見えてきました。25手目▲7九金は△8九飛成を防いで▲7七銀を用意したもの。一段金は飛車交換に強い形です。対して後手の△5二金右(図)は玉を固めてはいるものの、飛車打ちの隙を作っているともいえます。羽生王位は先手の望み通り決戦に応じるのか、それとも身をかわす順を用意しているのか。 (羽生王位。函館奉行所にて)(牛蒡)
再開の一手は△8六歩 再開の一手は△8六歩でした。以下▲同歩△同飛まで進んでいます。飛車先の歩を切って、部分的には居飛車(後手)の得。しかしその前に(8二から)△8四飛と浮いているので手損でもあります。羽生王位は△8六歩を決断するまでに、対局再開からさらに10分ほどの考慮を必要としました。 (牛蒡)
対局再開 (藤井九段は13時20分ごろには入室していた) (藤井九段の唇がかすかに動く。声こそ出していないが、何かつぶやいていたように見えた) (13時30分、対局開始) (その1分後、少し急ぎ足で羽生王位が入室。すぐに前傾姿勢になった) (羽生王位はしばらくして前傾姿勢を解いた。すぐに指す気配はない) (互いの駒台に乗った角。振り飛車新時代の象徴でもある) (牛蒡)
再開の一手は? 「後手は駒組みを進めるか、8筋の歩交換をするかで時間を使っていると思います。△3三銀や△5四歩は駒組みの手で穏やかです。問題は△8六歩▲同歩△同飛です。飛車を浮いてから歩を交換するのは手損になりますが、後手は8四飛型で当たりが強いので、じっとしていると▲7七銀~▲8八飛~▲8六歩と反撃される恐れもあります。判断の難しいところです」(屋敷九段)
昼食休憩に入る 12時30分、図の局面で昼食休憩に入りました。消費時間は▲藤井1時間14分、△羽生2時間5分(持ち時間、各8時間)。対局は13時30分に再開します。 (羽生王位の昼食は天ざるそば、オレンジジュース) (藤井九段は鴨せいろそば、オレンジジュース) (牛蒡)