第51期王位戦七番勝負第4局 Feed

2010年8月10日 (火)
2010年8月 9日 (月)

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両対局者が会場から退場した後に、明日の対局の
見所?が4名の棋士によって語られた

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石橋「ここまで挑戦者の広瀬六段が2勝1敗でリードしています。
      加藤九段は第4期に24歳で挑戦者になっていますが、広瀬
      さんは23歳とさらに若い挑戦者です」
加藤「えーと、まあ、王位戦は51期目ですけど、私は今まで七番
      勝負に3回出て1期獲得していますが、予選から含めると
   第1期からずっと出ずっぱりです。健康と頭の衰えがなけ
   れば、控えめに言っても、あと5・6年くらいは行けるか
   なぁと思います(会場拍手)。それで、第4期王位戦の第
   1局は福岡で相手は大山康晴王位。当時は大山さんがタイ
   トルを独占していた時代です。挑戦者になって第1局は勝
   ったんですが、前夜祭で西日本新聞の担当の方から「あな
   たは福岡の出身ですから、明日はぜひ勝ってください」と
   言われて勝ったんですね(笑)。私は昭和35年に20歳で名
   人戦で1-4でものの見事に負けまして、その2年後に王
   将戦でも負けました。次いで、24歳で王位戦に出ました。
   2年ごとにタイトル戦出ずっぱりだったんです。で、年齢
   の件です。広瀬さんはもっと若いんですね」
先崎「広瀬さんは加藤先生と大学が同じなんですね。早稲田大学」
加藤「そうですね。同じなんです。彼は数学科なんですってね」
先崎「数学科で確率とかを専攻しているらしいんですけど、聞いて
   も全然教えてくれないんですよ。どうせ先生には分からない
   でしょみたいな(笑)」
加藤「で、まあ、将棋というものは僕は数学系ではないと思ってい
   ます。どちらかといえば文学系。一口で言ったら、気合で指
   すのが将棋だと思っています(爆笑)」
先崎「先生の将棋を見ているとよく分かりますね(笑)」
加藤「僕は文系で、広瀬六段は理系ですけど、それは珍しいと思う
   んですよ」
先崎「棋士はほとんどが理系かと思うのですが…」
加藤「えっ、えっ? どうですかねぇ。中川さんはどう?」
中川「私は体育会系です(爆笑)」
先崎「いやー、先生が文系だとは気付きませんでした」
加藤「それでですね、王位戦はよく指しましたし、立会人も務めて
   います。深浦さんの立会いもよくしています。深浦さんは僕
   の好きな後輩です。僕が感心するのは、出身の地元の方に温
   かく励ましてもらってですね、彼は非常に感謝していい将棋
   を指しているんです。地元の佐世保の方々からの温かい支援
   が深浦さんの励みになっているんですよ。これですね、一歩
   間違ったら、ひいきの引き倒しになってしまうんですよ(爆笑)。
   先ほども、自分が遊んだ場所が対局場から見られていいと言
   ったでしょ。感心したんですよ。私なら真剣勝負の場で親し
   い人が近くにいると、かえって気を遣ってしまっていけない
   んですよ」
先崎「深浦さんは加藤先生よりも理系なんで(笑)、そこら辺はカラ
   ッとしているんじゃないですかね」
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前夜祭は皆が笑顔になってお開きとなった

(吟)

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「本日は盛大な前夜祭を開いてくださりありがとうございます。
本当に感謝しております。前期は3連敗でこの地に来まして、
皆さまから激励をいただきましたが、正直、そこから4連勝す
るのは大変かなと思いまして、激励も自分には厳しく聞こえる
と言いますか、自信のない状態でしたので、第51期王位戦に
立てて、本当に良かったというのが本音であります。
昨年から応援してくださった皆さまありがとうございます。今回、
新鋭の広瀬さんを迎えて1勝2敗と厳しい状況ですが、佐世保
をきっかけに1つ1つ返して、今期も充実した王位戦にしたい。
子ども王位戦を見ましたが、生き生きした将棋を指しているの
を見て、昨年も思いましたが、私の原点・佐世保でいい将棋、
輝いた将棋を指したいとあらためて思いました。対局場から、
私が子どものころに遊んだ場所、友だちといろいろな経験をし
た場所が見られるので、そこでいい将棋を指して、佐世保の皆
さんに深浦の将棋は良かった、王位戦良かったと思ってもらえ
るような将棋を指したいと思います」(深浦)

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「皆さんこんばんわ。本日はこのような盛大な前夜祭を開催してくだ
さり、主催者の西日本新聞社様と佐世保市に厚く感謝したいと思い
ます。私が長崎県を訪れたのは2回目です。1回目は今から6・7年
前に修学旅行で九州の各県を転々とするものでした。当時は奨励会
三段で、修学旅行の日程と三段リーグの日程が重なったために途中
で泣く泣く帰るハメになってしまいました。そのときの地点が長崎でし
て、クに観光もせずに帰るという、つらい思い出があります(苦笑)。
今日、長崎に着いてから水族館に観光する時間があり、楽しく過ごせ、
気分転換といいますか、リフレッシュできました。感謝しています。明日
から王位戦第4局がありますので、頑張りますと言いたいところですが、
「空気を読んでください」ということもありますので、ほどほどに頑張りた
いと思います(笑)。深浦王位のファンの方が圧倒的に多いと思いますが、
そういった方々にも、終わったあとに王位戦第4局はいい将棋だったと
言ってもらえるように満足してもらえるような将棋を指したいと思います」
(広瀬)

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記念品の「三川内焼」が両対局者に贈られた

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花束を受け取った両対局者は100人のファンが駆けつけた
前夜祭会場をあとにした

(吟)

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両対局者を中心にステージへ。1番右は大盤解説の
聞き手を務めるLPSA代表理事の石橋幸緒四段

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主催者を代表して西日本新聞社・川崎隆生社長より
ご挨拶「「4年連続でこの佐世保で開催できたのは深
浦王位が3連覇できたからです。ここまでの3局、プロ
の方から面白い勝負が続いていると伺っています。今
回、深浦さんと広瀬さんの王位戦は全国のファンの皆
さんが注目している戦いかと思います。広瀬さんの新し
い力がビンビンに感じられるような対局が続いているか
らだと思います。明日からの第4局を楽しみにしており
ます」

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本局の後援をいただいている佐世保市教育委員会。
佐世保市教育委員長の永元太郎様ご挨拶(佐世保
市市長の代読)「毎年、夏の盛りを迎えますと、王位
戦の季節の到来を感じますが、近年は特にそう感じ
ます。深浦王位の活躍によって、佐世保市民にとっ
ても王位戦はもちろん、将棋自体が身近に感じられ
るものになりました。今期の七番勝負は挑戦者決定
戦で羽生善治名人を破った広瀬章人六段が挑戦す
るという楽しみな対局となりました。大盤解説会も行
われるので、市民の皆さまも楽しみにしていることと
思います。歴史に残る名勝負になるよう期待しており
ます」

(吟)