2026年7月

2026年7月 4日 (土)

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長考していた藤井王位、8筋は手抜きで▲9二銀(上図)と攻めました。意外な一手にやはり控室は騒然としましたが、△8二飛▲8三角△同飛▲同銀成△同玉▲7一飛と進めば、▲9二角△8二飛▲8三銀の変化と合流します。銀損の強攻ですが、強引に飛車を取って継ぎ歩攻めを緩和しながら、後手玉を不安定にさせて実戦的です。森内九段は「すぐには終わらない順を選んで粘りに出ている」と話しました。△8二飛はほとんどこの一手で伊藤二冠がすぐに指すと、藤井王位は▲4九飛(下図)。またも意外な手が飛び出します。

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強力な馬の位置を変えようという手ですが、△3六馬と逃げられると金に当たってくるため、かえって駒の働きがよくなる可能性もあります。神谷八段は「ほんとに得なのかね」と首をかしげていました。

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明日の大盤解説会を担当する解説陣が到着しました。藤井猛九段は継ぎ盤の駒を動かし、「このまま封じ手になると思います」と大胆予想。検討だけでなく観戦ツアーでの交流も始まり、現地は大いににぎわっています。

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またも控室がざわめきました。藤井王位、なんと▲9五歩(上図)と猛攻。右玉は守りの桂を跳ねる構えなので端が手薄です。そのため端を絡めて攻めるのは常套手段なのですが、攻める側が穴熊なので端の突き捨てがそのまま玉頭に迫ってきます。反動が強烈で指しにくい順に、藤井王位は踏み込みました。ここから△9五同歩▲9三歩△同香▲7五歩△8六歩▲同歩△8五歩(下図)と進みます。

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伊藤二冠はさっそく反撃開始。▲8五同歩には△8六歩が「継ぎ歩に垂れ歩」の手筋。次は△8七桂が痛打になります。先手が歩を多く渡したために生じた筋で、後手がうまくカウンターを合わせた印象を受けます。藤井王位にどのような策があるのか注目です。

今回の王位戦浜松対局は、井伊直虎ゆかりの地10周年の記念事業として開催されています。本局に関連して6月30日、浜松駅前の遠鉄百貨店で浜松将棋まつりが行われました。本局の副立会人を務める神谷八段のほか、八代弥八段、高見泰地七段、藤本渚七段、加藤桃子女流四段が出演しました。神谷八段、八代八段、加藤桃女流四段は地元静岡県の出身。高見七段は父親が浜松市の出身で、市内には何度も訪れているとのこと。ちょっと意外な縁です。

席上対局は神谷八段と藤本七段でカードが組まれました。この組み合わせでピンと来た方はかなりの事情通。この2人、2023年に竜王戦で対戦が決まっていましたが、藤本七段(当時四段)が対局場所を間違えてしまい、不戦敗になる事件がありました。今回の席上対局では藤本七段が勝利。対局中の真剣な表情、終局後の穏やかな笑顔が印象的でした。

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昼食休憩前の▲4五桂(上図)には、控室で驚きの声が上がっていました。というのも、本譜のように△3七角(下図)の反撃が見えているからです。図から▲2九飛△4六角成▲3三桂成△同桂と進むと先手は銀桂交換の駒得ですが、後手は△4五桂の狙いがあり、馬も大きな存在です。先手が反動の大きさに見合う戦果が得られるかどうかがポイントです。