2025年7月29日 (火)

開戦間近

島九段と阿部健七段が控室で検討しています。開戦が近いようです。

島九段「藤井王位の雁木に対して、永瀬九段は3筋の歩交換から穏やかに対応しました。▲6六歩から囲ったのも正統な指し方で、実戦例は少ないですが、矢倉対雁木の典型的な戦いといえます」

250729_0361図。検討の本線は(1)▲3七銀に△8六歩でした。以下▲8六同銀は△4五歩、▲8六同歩は△4二角から△6五歩で角を使ってどうか。先手の右銀が3七に移動し、攻めの比重を高めた直後に反撃に出るのがうまいタイミングです。

島九段「△8一飛(1図)は(1)▲3七銀を待つ高等戦術に見えます。△8一飛に代えて△4二角なら、また違った将棋でした。(2)▲8八玉は角のラインに入るため、△8六歩に▲同銀を選びづらくなります。(3)▲4六歩も消極的。(4)▲9六歩△9四歩も先手の得かどうか分かりません」

250729_037実戦も検討通りの▲3七銀(2図)でした。上記(1)の△8六歩が本命です。

島九段「▲3七銀に△4二角は△8六歩に▲同銀の変化が出てきます。△3一玉も囲い過ぎで戦場に近づきます。あとは△4五歩ですが、▲4六歩△8六歩▲同歩△8五歩▲4五歩△8六歩▲8八歩は先手が何とかしたいですね。1歩得していますから」

Dsc_4103(△8一飛で間合いを計った藤井王位。検討通りの△8六歩で動くのか)