銀を上がれない 図は18時35分頃の局面。この局面で自然な手は△2四銀です。しかし、控室では佐藤康九段が▲3五金を発見し、以下△同歩に▲3四角が厳しく、これは先手が勝ちそうと見られています。自然な△2四銀が指せないようだと、後手は指し手が難しくなります。
真っ向勝負 図は17時半過ぎの局面。ここまでの消費時間は▲藤井7時間16分、△永瀬6時間31分。前記事の△2四歩に49分使った藤井王位は▲4三銀と真っ向から攻め合いを挑みました。次に▲4一角や▲3二角が、▲2三角成以下の詰めろになります。 真っ向勝負を挑んだ藤井王位。寄せをどこまで読んでいるのか。
きわどい勝負 図は16時40分過ぎの局面。消費時間は▲藤井6時間27分、△永瀬6時間31分。永瀬九段は56手目の△4八歩成に1時間10分、58手目の△6五同角に43分と連続長考で、消費時間が藤井王位と逆転しました。ただ、苦しんでの長考というよりは、勝負どころで必要な長考をした印象で、控室でも後手がよくできる可能性があると見られています。図の△2四歩に対して、先手は▲6八歩と受けるか、▲4一角のような手で寄せ合いに出る選択肢もあります。いずれにしてもきわどい勝負と見られています。 永瀬九段は勝負どころで連続長考を見せた。
2日目午後のおやつ 15時を回り、対局者におやつが運ばれました。注文は、藤井王位が飲み物のみで「ジンジャーエール柚子」、「パイナップルジュース Alain Milliat(フランス)」。永瀬九段が「小牧篠岡 桃福」2個、「名古屋コーチン 千なり」1個、「ラッシー~マンゴーのピューレ添え~」、「ブラッドオレンジジュース Yamauchi Farm(愛媛県宇和島)」、「ブドウ畑のピーチネクター Patrick Font(フランス)」。 藤井王位の注文。 永瀬九段の注文。
現地大盤解説会 開始 14時から小牧市市民会館(大ホール)で大盤解説会が始まりました。 収容人数1300人以上の大ホールがほぼ埋まっていた。 4人の出演者とゲスト解説の佐藤康光九段が登壇。 時間の都合上、佐藤康九段がトップバッターに。 聞き手は野原未蘭女流二段。 佐藤康九段は△4七歩の局面を解説。「△4七歩では、△7六同角でも先手の指し手が広く、難しいと思っていました。△4七歩は手を抜かれて、例えば▲6五銀打△同角▲同銀右△4八歩成のときに、▲4五桂や▲2四歩と反撃されるので、深く読まないと指せない手です。この手を指したということで、永瀬九段の充実ぶりを感じました」(佐藤康九段)