2024年7月

2024年7月18日 (木)

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好位置に馬ができて先手が手厚い態勢になりました。大盤解説会には森内九段が登場して見解を語っています。「先手は手が広く、いい手が多い局面が続きます。2番手、3番手の手でもリードを保てるので安心して指せると思います」。ポイントになった手として、藤井王位が指した△3八歩(64手目)に触れていました。「狙いが単純なので、藤井さんしか発揮できない切れ味が出る展開にはなりにくいと思います。渡辺さんの攻め方がうまかったですね。自分は飛車がもったいないと思って大事にしてしまうので気がつきませんでした」

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藤井王位の苦戦が続いています。大事な角を受けに使う△4四角(70手目)はいかにも苦しげ。森内九段は「△4四銀だと▲4六銀と出られてしまうので仕方がなかったかもしれません」と話します。先手はどう攻めるか。控室では▲1七角と数を足す変化を検討していましたが、実戦は渡辺九段が▲4六銀と強く前に出ました。銀をすれ違う△3六銀が飛車に当たってくるため決断の攻めです。以下▲4五銀△2五銀▲4四銀△同歩▲2一角と進みました。

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金に狙いをつけ、角のラインが遠くまで利いて感じのよさそうな手です。後手は3筋に歩が利かず、△3一歩とは打てません。先手陣の3筋に残った歩は△2八飛や△3九飛と打ったときに邪魔駒にもなっています。渡辺九段の選択は藤井王位の△3八歩をとがめる組み立てといえます。

15時から現地大盤解説会が始まりました。野月八段と久津女流三段は勝浦修九段門下の同門です。野月八段は相掛かりを得意にしているだけに、「相掛かりは歩の枚数が重要。1枚から2枚に増えると攻め筋が5倍くらいに増える。相手が2枚になったら警戒しないといけない」と、戦型の急所をわかりやすく解説していました。

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12時30分、藤井王位が29分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲渡辺九段4時間54分、△藤井王位5時間57分。昼食は藤井王位が「キンキ一番だしラーメン」とアイスティー、渡辺九段が「塩チャーシュー麺とチャーハンセット」とアップルジュースを注文しています。函館のご当地ラーメンといえば塩ラーメン。キンキ一番だしラーメンはセットの焼きおにぎりに薬味をのせてスープでお茶漬けにして楽しめます。チャーハンはイカの塩辛とバターを使ったコクのある味わいです。対局は13時30分に再開されます。

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