2024年7月
第3局は徳島対局
藤井聡太王位(七冠)に渡辺明九段が挑戦する、伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦七番勝負は、両者譲らず1勝1敗で第3局を迎えました。徳島新聞社が主催する本局は、7月30日(火)から31日(水)にかけて、徳島県徳島市「渭水苑」で指されます。
対局開始、再開は両日ともに9時。先手は藤井王位。持ち時間は各8時間。立会人は小林健二九段、副立会人と現地大盤解説を武市三郎七段、聞き手を島井咲緒里女流二段、記録係を崎原実地歩三段(矢倉規広七段門下)が務めます。観戦記の執筆は諏訪景子さんです。
現地では前夜祭や大盤解説会が催されますが、事前申し込み制で、受付はすべて終了しています。
インターネット中継は棋譜コメント入力を飛龍、ブログを武蔵が担当します。どうぞ、よろしくお願いいたします。
【徳島新聞】
https://www.topics.or.jp/
【伊藤園お~いお茶】
https://www.itoen.jp/oiocha/
【徳島大正銀行】
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【棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/65/oui202407300101.html
感想戦
大盤解説会で振り返る
終局直後
■渡辺明九段
――△3八歩(64手目)に▲3五歩(65手目)から動きました。
渡辺 △3八歩と垂らされたところは▲3五歩からやっていかないとしょうがないと思っていたので。手段が2つくらいある局面が続いたので少し指せているかと思いました。ただ、どれも変化としては際どいのでどうかなというところはありました。
――▲2一角(77手目)から▲6五角成(81手目)で上部を手厚くしたあたりは。
渡辺 ちょっと厚いなと思ったんですけど、▲6五桂をいいタイミングで跳ねないと△7七歩と打たれるので、そのあたりは組み立てが難しくて長考になりました。
――一局を振り返って。
渡辺 つかみどころが難しい将棋ではあったんですけど、2日制なので難しいながらもケアできたのがよかったかなと思います。
――次局に向けて。
渡辺 あまり間がなく次があるので、それまでに作戦を練って臨みたいと思います。
■藤井聡太王位
――△3八歩(64手目)のあたりはどう思っていたか。
藤井 その前に▲7四歩(61手目)と垂らされたところで苦しい可能性がある気はしたんですけど、△3八歩に▲3五歩(65手目)と切り返されて相当苦しい形になってしまったので、もっとさかのぼって▲5六角(49手目)と打たれたあたりの対応がよくなかったかなという気がしています。
――△2五銀(58手目)~△3四銀(60手目)のあたりは。
藤井 こっちの3筋の形が思っていたよりもキズになってしまう感じがしたので、そのあたりは少し自信がないかなという気がしていました。
――終盤戦はどのように見ていたか。
藤井 かなり厳しい形勢だと思っていました。
――一局を振り返って。
藤井 序盤の組み上がりのあたりから具体的にどのように戦いが始まるかが非常に難しい将棋だったんですけど、そこでバランスを崩してしまったので力不足だったかなと思います。
――次局に向けて。
藤井 本局は早い段階で形勢のバランスを崩してしまったので、もう少し競り合いにできるように頑張りたいと思います。
渡辺九段がタイに戻す
図の局面で藤井王位が投了しました。終局時刻は17時40分。消費時間は▲渡辺7時間15分、△藤井7時間33分。シリーズ成績は1勝1敗になり、勝った渡辺九段は対藤井の連敗を3で止めました。第3局は7月30・31日(火・水)に徳島県徳島市「渭水苑」で行われます。