2024年5月

2024年5月14日 (火)

Oui20240514020173▲木村-△渡辺明戦は、終盤に入りました。図は▲2一銀不成と桂を取ったところです。後手は△4六桂▲同歩△5七歩成と攻め合いでいいなら明快に見えます。18時前、渡辺九段は18分考えて△4六桂を決断しました。

Dsc_3798_2(渡辺九段)

64手の広い難解な局面が続くなか、両者とも粘り強い指し回しを見せて、倒れることなく終盤が続いています。図は整理がついてきた場面での△8五角。「(先手が)困りましたかね」と金沢六段は話します。△4九角成▲同銀△同飛成の狙いを受ける▲5九金打ではジリ貧になりそうで、次の先手の指し手が難しいとのことです。実戦は▲3六銀△4四馬▲4五金と馬を追って△4九角成を間に合わせないよう手を作ろうとしています。

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(佐々木七段のプレーオフ進出が見えてきたか)

Oui202405140501_68▲藤本-△斎藤慎戦はねじり合いが続いています。上図は先手が9筋を破り、▲9三香成に△8一飛と引いた局面。代えて△6二飛なら▲8三成香が厳しかったところ、下に引いたことで▲9二成香には△6一飛に▲8三成香がありません。藤本五段は45分の長考で上図から直ちに▲8三成香と捨て、△8三同飛▲9二飛成△8二歩に▲8六香と田楽刺しを放ちました。対して△8五香か△8五桂打かの比較は難しく、斎藤八段は時間を使っています。

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Saitou04 (斎藤慎八段は先手玉周辺での戦いは歓迎となる)

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▲石井-△豊島戦は、豊島九段が攻めを受け止め、石井七段の▲4五桂のお返しとばかりに△6五桂から反撃に出ました。銀桂交換の駒損ですが、手持ちの桂をうまく使えばバランスが取れそうです。

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▲8八銀△8六歩▲同歩に△5四桂と進みました。この桂打ちが期待の一着でしょうか。4六銀が逃げると△4五桂の追撃があります。形勢はいい勝負ですが、先手は1七角が働くかどうかが課題です。

Dsc_0005(豊島九段は自陣を収めることに成功。この反撃でどれほど迫れるか)