2022年5月

2022年5月 2日 (月)

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図は76手目△4五桂まで。豊島九段は3三にいた桂をタダのところに捨てました。これは▲5二金△同玉▲6一角以下の後手玉の詰めろを消しつつ、△5七桂成▲7九玉△7八飛以下の詰めろをかけた華麗な「詰めろ逃れの詰めろ」。実戦は△4五桂から▲同歩△6七飛▲7九玉△5七銀成と後手が詰めろ詰めろで迫っています。伊藤五段はしのげるでしょうか。

Dsc_0867 (終盤で技を見せた豊島九段)

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図は72手目△3四飛の局面。4六の角と3四の飛車が先手玉のコビンに狙いをつけています。久保九段は6筋から9筋の駒の働きが悪いのがつらいところ。実戦は▲2九桂と辛抱して、反撃のチャンスを待ちました。

Dsc_0626 (厳しく攻めかかる千葉七段)

感想戦のあとにインタビューが行われました。

【羽生九段の談話】
――今期のリーグ戦は3勝2敗で残留という結果になりました。
羽生 最初に連敗してしまって非常に苦しい状況だったんですけど、なんとかリカバリーして、残留できてよかったです。

――第34期にリーグ入りしてから30年間、残留以上という結果については。
羽生 特別、意識していたわけではないですけど、そういう数字になってよかったなと思っていますし、今期は特に幸運だったなと思っています。

――本局を総括して。
羽生 昔、何局かやったことがある将棋ではあったんですけど、お昼休みのところからは、かなり険しい形になってしまって。何か手があったらまずいと思って指していました。

――勝ちになったと思ったのは。
羽生 △3八桂成(54手目)と攻め合って、ちょっと残っているんじゃないかと思っていました。

Dsc_0957 (羽生九段は出だしが先手番2連敗で崖っぷちだったが、後手番3局を3連勝して残留を果たした)

【澤田七段の談話】
――今期のリーグを総括して。
澤田 今日の将棋もそうだったんですけど、負けた対局の内容がよくなかったので、その辺りが実力不足だったと思っています。

――本局を振り返って。
澤田 何かあればっていう感じだったんですけど、形勢判断ができていなくて、悲観して粘りを欠いたところはあったと思うので、その辺りが反省点ですね。

Dsc_0965 (挑戦者決定戦進出を狙う澤田七段だったが、敗れてリーグ陥落となった)

Dsc_0968 (感想戦の様子。明暗分かれた一戦だった)

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▲澤田-△羽生戦は18時5分、58手で羽生九段の勝ちとなりました。▲澤田3時間18分、△羽生3時間31分。
本局の結果、羽生九段、澤田七段ともに3勝2敗でリーグを終えました。また、直接対決の結果により、羽生九段はリーグ残留、澤田七段はリーグ陥落となります。

池永五段

▼池永天志五段の談話

「途中は自信がない局面もあったのですが、意外に難しかったのかなと。王位戦に白星が集まったのはよかったですが、ほかの棋戦では結構負けていて、途中でぽっきり折れてしまうことも多いので、次に向けていい内容の将棋が指せたらと思います」

糸谷八段

▼糸谷哲郎八段の談話

「序盤だいぶ工夫したのですが、ちょっと勝ちにくい将棋にしてしまいました。2敗しているのにチャンスがあったので、ぜひ物にしたかったですが、自分から転ぶ将棋になってしまいました」

感想戦
(感想戦)