2018年8月
前夜祭(8)
両対局者が退出後、壇上では第4局の見どころについて話し合われました。
(左から安食女流初段、深浦立会人、中田功副立会人、武富女流初段、水町女流2級)
武富「さっき、おっしゃっていたようにイケメン対決です。菅井王位の2勝1敗の状況ですね。3勝1敗になるか、2勝2敗になるかで相当、大切な対局になると思います」
安食「見どころは? やっぱりイケメン対決ということで」
武富「はい(笑)」
中田「(大盤解説会の解説を務めることもあって)菅井王位が飛車振ってくれるのがうれしいです。すごく解説しやすい。ただ、3局見ると、終盤は難解。明日の見どころは、菅井さんは多分、中飛車か角交換系(振り飛車)ですよね。豊島さんがどういう準備をしてくるかですね。いま、豊島さんが二冠王にいちばん近い位置にいるんですよね。だからそういうチャンスを豊島さんもつかみにいくと思いますよね」
水町「私は居飛車党なので、本当に居飛車対振り飛車の将棋は勉強になるので、見たい将棋です。とても楽しみにしています」
深浦「対戦成績は菅井さんの7勝3敗なんですね。豊島さんの踏ん張りどころでもありますし、豊島さんがいま群雄割拠の時代(31年ぶりに複数冠を所持している棋士がいない)、2冠目に手の届くチャンスなんですよね。菅井さんはもちろん、それを許さないとしていますので、この第4局の福岡対局はあとで振り返ってみると、すごい大きな勝負だったなとなると思うんですよね。ぜひ、大盤解説や各メディアで注目していただきたいと思っています」
前夜祭は20時前に終了しました。
以上、対局前日についてお届けしました。明日、対局は9時開始となります。
明日からの2日間もどうぞよろしくお願い致します。
前夜祭(7)
前夜祭(6)
乾杯後はしばし歓談の時間が取られ、その後に両対局者より挨拶が行われました。
(まずは菅井王位が挨拶)
多くの将棋ファンの方と交流できて、自分自身としても幸せな気持ちでいっぱいです。最近は将棋ブームで、多くの方が将棋に興味を持ってくださっている時代に、自分も将棋のプロとして生活できることをうれしく思っています。最近は自身、将棋を指す意味を考える生活が続いています。いま、いろいろなところで災害が起こっています。そんな中で自分にできることを考えるのですが、将棋のプロはそういったときに何もできないんですね。力になっていくことはできないのですが、その中にも将棋ファンの方はいると思うので、そういった方々に少しでもいい将棋を見てもらうのが、自分にできる少しのことかなと思います。そういった強い気持ちを持って、王位戦のシリーズ頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いします。
(続いて豊島棋聖が挨拶)
多くの方にお集まりいただきまして、ありがとうございます。私は福岡県には、これまで対局や仕事で何度も来させていただいていて、本当に将棋の盛んなところという印象があります。王位戦では第3局が北海道での対局で、北海道、福岡と北から南に全国各地で対局できていて、タイトル戦の醍醐味といいますか、タイトル戦を戦っているんだなと改めて実感しています。明日から第4局で、今期、これまでの3戦は結果も内容もかなり押し込まれているので、ここから巻き返していけるように頑張っていきたいと思っています。あさっては大盤解説が行われるので、皆様によい将棋をお見せできるようにとも思っています。関係者の皆様と地元の皆様にはお世話になります。よろしくお願いいたします。
(書き起こし=飛龍記者、写真=潤)