2017年8月28日 (月)

ファンとの集い(1)

18時から「ファンとの集い」が開催されました。

Img_7459米田豊彦・徳島新聞社理事社長。
「本日は羽生王位、挑戦者の菅井七段をお迎えし、本県並びに県外の熱烈な将棋ファンの皆様にこの集いにご参加いただきまして、心から歓迎申し上げます。この王位戦は第58期を迎えます。弊社は1984年の第25期から今年で33年間、三社連合に加えていただきまして、主催をしております。それ以降、新聞読者の皆様にすばらしい熱戦の記事をお伝えしてまいりました。羽生王位は昨年、最終局まで戦われました。大変な熱戦のなか防衛されて、現在6連覇を果たされております。今期、さらに防衛されますと、羽生王位のタイトル獲得数は通算で99期ということになり、あともうちょっとで100期というとんでもない記録を打ち立てることになります。もちろん、歴代第1位は羽生王位。今回防衛されれば、ご自身の記録をご自身でさらに塗り替えるということになります。
一方、挑戦者の菅井七段におかれましては、ここまで3勝1敗ということで、まさに王位のタイトルに片手がちょっとかかっております。菅井七段が初めてのタイトル挑戦でそのタイトルを手にするかどうか。徳島の地を思い出の地にするかどうかも含めて、今期は非常に面白い、ファンからしましたら、実に見ごたえのある対局になろうかと思います。
これまで大変な熱戦を繰り広げられておりますけれども、徳島の第5局もこれまで以上にファンを楽しませていただけるであろうと期待しております」

Img_7488 清水市代・日本将棋連盟常務理事。
「改めまして皆様、こんばんは。日本将棋連盟を代表いたしまして、一言ご挨拶させていただきます。徳島新聞社様には将棋に対するご理解、将棋界に対する多大なるご尽力を賜りましたことを、心より感謝申し上げます。そして、本日のお越しの皆様には、王位戦にご声援を賜りまして、ありがとうございます。
渭水苑さまには何度も来させていただいてますが、その時々で立場が違いまして、女流王位戦の対局者のときもありましたし、王位戦の大盤解説会のときもございました。そして、今回は常務理事として、こちらに来させていただきました。立場が違いますと、見ること、気になること、感じることがこんなにも違うものなのかなと、大変興味深く思っております。
ただ、ずっと変わらないのは関係者の皆様、渭水苑の皆様によるおもてなし、心配りが、この会場、そして対局場もそうなのですが、隅々にまで行き届いておりまして、その優しさや思いが、対局者にも必ず伝わります。明日は両対局者とも、心置きなく盤上に集中できることと思います。本当に将棋連盟としてはうれしく思っておりますし、本当に感謝申し上げます。
挑戦者の菅井七段なのですが、実は少年のころから存じ上げておりまして。彼は岡山出身なのですが、倉敷市で対局やイベントがあるたびに、奨励会のころからよく手伝いに来てくれていました。学生服姿で大変初々しくて、声をかけると恥ずかしがって隠れてしまうような、そんな少年だったのですが、こんなに立派になられて大変うれしく思っております。そして、なんと王者の羽生善治先生に3勝1敗。あと一歩のところまで、追い詰めている。これはすごいことだと、地元のみならず全国の将棋ファンが沸きに沸いております。
菅井七段のすごいところは、盤上だけではありません。どんなときも、そして大きな檜舞台でも自分流を貫いております。菅井流をけっして譲ることなく、貫き通していることが非常に彼のすごいところだなと思っております。盤上は棋譜でご覧いただけると思います。そして、盤外のことは、彼の義理人情に厚いエピソードがたくさんございます。ぜひ、徳島新聞紙上、ネット中継等でご覧いただければうれしく思います。
そして思いますのは、タイトルホルダーがひとりいまして、その頂点に立つものしか見られない景色というものがございます。その景色をずっと見続けている王者が、羽生王位。その羽生王位の本当の怖さ、恐ろしさ、深さ、強さは、追い詰められたときにこそ、解き放たれます。明日からは、本当に恐ろしい羽生王位が皆さんにご覧いただけることと思います。ぜひ、一挙手一投足にご注目いただき、王位戦にご声援いただければと思います。今日は本当にわずかな時間でございますが、対局者のお二人と関係者の皆さんと、棋士がたくさん来ていますので、お楽しみいただけると思っております。一言のつもりが、思いが熱くなりすぎて長くなってしまいましたが、今後ともよろしくお願い申し上げます。本日はありがとうございました」

Img_7497 武市三郎七段が関係棋士を紹介した。

Img_7510 女流王位戦で徳島市常連の清水市代女流六段は大人気で、多くのファンが写真を撮影した。

Img_7517 地元将棋ファンの小学生から花束が贈呈された。

Img_7525 記念撮影。八万小6年岸野壮真君(右)と内町小5年上地常葉子さん(左)。

(書き起こし=紋蛇)