2016年7月 4日 (月)

前夜祭(5)

【今期王位戦の見どころ】

Img_2914立会人・石田和雄九段(右)、副立会人・北浜健介八段(左)。

石田「ちょっと一言。私は岡崎で生まれたのですが、戦乱のころにさかのぼりますと、このあたりが戦国時代の中心になりました。それで徳川家康に仕えた三河武士の中心だったのが、犬山城の城主の成瀬正成でした。家康に惚れ込んで『(徳川家康の眠る)日光の東照宮で死にたい』といって、家臣が行くようなふりをして亡くなったのです。岡崎と犬山は深い縁があるんですね。見どころは若い人にお任せします。では、どうぞ」

北浜「副立会人を務めます、北浜です。よろしくお願いします。この二人の対戦は2年ぶりです。当時は矢倉や角換わりが指されました。2年たった現在は、棋界全体の傾向として矢倉が減って、横歩取りが増えたと思います。ですので、横歩取りや角換わりが中心になるのではないかと思います」

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石田「木村さんはどちらかというと矢倉でじっくりした将棋ですよね」
北浜「そうですね。矢倉が得意ですが、もともとは横歩取りも得意にされていて、現在の棋界全体でも多く指されています」
石田「羽生さんはほかの棋戦でも横歩取りをみんなにやられて、狙い撃ちにされている感じもありますねぇ」
北浜「ただ、もうそろそろ横歩取り対策が練り上がってきたのではないかと思います。明日の振り駒次第ですが、もしかしたら、羽生王位が後手で指すかもしれません」

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石田「はー、なるほどねぇ。私は矢倉になるかと思いましたが、現役の北浜さんの意見は横歩取りでした」
北浜「石田先生がおっしゃるように、矢倉になる可能性は十分あると思います。スコアはフルセットに近い接戦になると思います」
石田「横歩取りになると1日目から目が離せませんね。第1局は大事ですしね。夏場の転戦で、体力も影響しますね。好勝負を期待しましょう」

【来訪棋士】

Img_2771 澤田真吾六段。

Img_2982 中澤沙耶女流初段(右)。

【閉会の辞】

Img_2986田中宏明・中日新聞社一宮総局長。

本日の更新は以上で終了いたします。
対局は明日9時開始です。お楽しみに。

(書き起こし=銀杏)