2013年7月

2013年7月11日 (木)

Dsc_1098

Dsc_1133

―― 途中まで前例のある将棋で▲2四歩から本局は▲4四歩(59手目)でした。

羽生 まあちょっと後手もこの変化が不気味だったので、やってみたのですが。 うまくいっているかは微妙ですね。こちらもどんどん歩で駒を取られる 形なので。際どいと思って指していました。

―― 終盤もギリギリだったと思うのですが。

羽生 そうですね。△1一角(74手目)と打たれて、そこで寄せがちょっと分から なかったですね。なかなか明快な筋が見えなかったです。

―― 勝ちを意識されたのは?

羽生 本当の最後です。▲3三角成で。

Dsc_1141

―― 後手で受ける立場になったのですが、分かれはいかがでしたか?

行方 自分も経験のある格好で、気がついたら変化しづらい展開になって しまいました。ちょっと△1一角に致命的な誤算があって。

―― 誤算というのは?

行方 ▲3三金に△同角と取るつもりだったのですが、▲5五角が詰めろ 逃れの詰めろになってしまうのが……。角(△1一角)打ってから 気がついたのですが、修正が利かなくて。めったに出ない 筋なので期待してしまったのですが。まあ不発弾でしたね。

Dsc_1149(盤面は投了時のまま、両対局者は大盤解説会場へ向かった)

(吟)

2txt79「△2四同金に▲7三角成は有力です。以下△2三金打▲7二馬△7六桂のときに、金がなくなったので▲7八玉と逃げられてしまいます。これが▲2五銀と△2三金打の交換を入れた効果です。▲7三角成を決め手にしようとしているのかもしれません」と西尾六段。

Dsc_1001(金を手にして後手陣に襲い掛かる羽生王位)

(吟)

1txt75


▲3三金に△3三同角▲5五角△2三金打を西尾六段が検討している。「決着をつけにいくなら▲4二と。違うなあ。これは長くなりますよ。難しいなあ」と話す。

「あっ。△2三金打には▲2五銀がありますね。詰めろにはなっていませんが、先手玉に迫るのが難しい」(西尾六段)

しばらくして▲3三金に△同桂が着手された。

Dsc_1094(18時を回って穏やかだった波も心なしか高くなってきたように感じる)

(吟)

1txt74_4
△1一角と自陣角で受ける行方八段。
「ん、△1一角は▲4六角(▲2五桂以下の詰めろ)と引かれたらどうするんだ。△3五歩は▲2一金で。▲2五桂打△同金▲同桂△2四玉のときに▲3五角と出れるから詰んじゃうよ」と石田九段。

0_3 検討の結果▲4六角△3五歩▲2一金に△4二飛(参考図)で先手の指し手が難しいようだ。

■Twitter解説■
佐藤秀司七段>△1一角が狙いの一手でしたか。ハッとさせられる手ですね。それでも▲4六角と引くとどう受けるのでしょうか。△3五歩には▲2一金がありますが、そこで△4二飛とか???(先手有利)

Dsc_1091 (▲4六角と引いた局面を検討する石田九段)

(吟)