2012年7月11日 (水)

さばきの真髄

1_49図は17時25分頃の局面。藤井九段はすんなり角を成らせて▲9七桂(図)と端に逃げた。次は▲8五桂で飛車先をブロックし、続いて▲4六角と出る味がたまらない。相手の力を利用する、振り飛車らしい指し方だ。後手は△6六歩と打ちたいのだが、駒台に歩がない。ならばと△9五歩は、▲8五桂△9六歩▲4六角がぴったり間に合う。角を成り込んだ羽生王位だが、これからの攻め方には工夫がいるようだ。控室の見解は先手よし。

「突いたときは見通しの立たなかった▲4五歩が、こうなると立派な位ですよね」(深浦九段)

【Twitter解説】
増田裕司>▲8五桂にどうするのでしょうか。▲4六角が絶品ですから。少し先手が指せそうですが、羽生王位の戦い方に注目です。


大盤解説会では深浦九段が登場。「やっと駒がぶつかりましたね」と腕時計を見て言う。二人が解説を続けていると、会場の照明が落ちてしまうハプニングが。すると深浦九段、「サプライズですか? 誕生日の方がいるんでしょうか」と即座の切り返し。これには会場中がどっと沸いた。

244

245

252

(文)