2011年8月

2011年8月10日 (水)

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終局直後の対局室。

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終局後は感想戦の前にインタビューが行われました。

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【羽生善治二冠インタビュー】
―― 一局を振り返っていかがでしたか。
実戦で何度か指したことがある形です。まだちょっとわからないところもあるので、もう一回やってみようと。

―― 終盤の入口まで前例のある将棋だったのですが。
こちらはあまり変化のしようがないので……。仕掛けてしまった後は、なかなか手を変えるのは大変かと。

―― 終盤に入ってからはいかがでしたか。
ずっとよくわからなかったですね。際どい局面が続いているので。

―― 勝ちを意識された手は
(120手目)△2三銀を打ってちょっと残ってるかなと。

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【広瀬章人王位インタビュー】

―― 仕掛けられたあたりはいかがでしたか。
先手もやれるのかなと思っていましたが、仕掛けられると一直線になるので。そうですね、ちょっとまずい変化に入ってしまったかなと。

―― 終盤の入り口まで前例がありましたが、その辺の意識はいかがでしたか。
前例があるのは知っていたのですが、難しいのかなと思っていましたので。

―― 終盤はいかがでしたか。
後手玉がどれぐらい危ないかがちょっとわからなくて。少し足りない変化が多かったように思いました。

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インタビュー終了後は大盤解説会場に移動して本局を振り返りました。

(八雲)

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ここで広瀬が投了を告げた。終局時刻は19時02分。消費時間は▲広瀬7時間58分、△羽生7時間47分。勝った羽生二冠はスコアを2-2のタイに戻した。

【Twitter解説】
佐藤紳哉>以下▲3四玉は△5六馬以下詰み。▲2六玉は△3七竜以下。▲1六玉は△3六馬で必死です。

(文)

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図の局面で広瀬王位の考慮中に18時を回りました。控室の見解は後手勝勢。
△2三桂は次に△3五桂▲3六玉△3八竜以下の詰めろになっており、有効な受けが難しいようです。後手玉には詰みがなく、先手の指す手が見つからないといわれています。
残り時間は▲広瀬34分、△羽生39分。

(八雲)

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図は17時過ぎの局面。広瀬王位の103手目▲3五銀は詰めろ逃れの詰めろ。△7九竜▲6九銀と合駒を使わせてもまだ後手玉の詰めろはほどけません。後手も一手でも間違えれば即逆転する状況です。羽生二冠はここで腰を落として考えています。

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17時15分頃の控室。森下九段、深浦九段、阿久津七段、佐藤(慎)四段が最終盤の検討をしています。

(八雲)

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95手目▲5三香に対して羽生二冠は△5三同銀と応じました。前例は△6一玉でしたので、ここで前例を離れたことになります。しかしこの手は控室も予想済み。前例の△6一玉よりも、本譜の△5三同銀のほうがより明快といわれています。

(八雲)