2011年8月

2011年8月29日 (月)

広瀬王位が駒袋を開け、二人が交互に駒を並べていく。駒音が響き、対局者の姿を追うシャッター音がそれに続く。徐々に対局室の緊張感が高まっていく。

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8時45分、対局室には記録係の杉本三段と少数の関係者が入室していた。杉本三段は駒を磨いている。ほどなく、立会人の塚田九段、副立会人の飯島七段も現れた。塚田九段は杉本三段の腕時計を見て、何やら談笑していた。珍しいデザインだったのだろうか。両対局者が入室する前で、対局室の空気はまだやわらかい。

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Oui20110829_4 9時になり、対局が開始されました。
▲7六歩△3四歩▲6八飛△3五歩で図に。広瀬王位の▲6八飛は第5局のように四間飛車穴熊を目指したものです。
それに対して、羽生二冠は△3五歩と3筋の歩を連続で突き出しました。相振り飛車を見せて、四間飛車穴熊にさせないようにしています。記者のデータベースでは、すでに前例が12局しかありません。定跡という名の羅針盤が利かない構想力が求められる将棋になりました。

(銀杏)

本局、一日目の解説を務めるのは佐々木慎五段。解説の内容はこちらのTwitterアカウントを参照していただきたい。

Sasaki
「おはようございます。本日はよろしくお願いします。今日広瀬王位が勝つと防衛ということで王位戦もいよいよクライマックスですね」

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