西山朋佳女流名人に福間香奈女流四冠が挑戦する岡田美術館杯第50期女流名人戦五番勝負は、神奈川県足柄下郡箱根町「岡田美術館 開化亭」で開幕します。女流四冠同士の頂上決戦です。
西山女流名人は初防衛、2連覇を目指す戦い。現在、タイトル獲得数は通算15期で林葉直子さん(退会)と並んで歴代4位タイ。防衛すれば、単独4位となります。
対する福間女流四冠は第48期以来の五番勝負登場。また、昨年に結婚して今年から福間姓(旧姓・里見)に変わって初めてのタイトル戦でもあります。
立会人は神谷広志八段。記録係は伊藤明日香女流初段。スポーツ報知の観戦記は大川慎太郎さんが務めます。対局は1月14日9時30分開始。持ち時間は各3時間。昼食休憩は12時から13時。
本局の中継は棋譜・コメント入力を玉響、ブログを銀杏がお送りします。よろしくお願いいたします。
【主催:報知新聞社】
https://hochi.news/shogi-igo/
【特別協賛:株式会社ユニバーサルエンターテインメント】
https://www.universal-777.com/corporate/culture/shogi/
【対局場:岡田美術館】
https://www.okada-museum.com/
【第1局の棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/kifu/50/joryumeijin202401140101.html
終局直後の様子。
【西山新女流名人の談話】
――本局を振り返って、どのような対局だったでしょうか。
「こちらから玉頭での戦いに挑みまして。細い攻めだと思ったのですが、途中難しいかなと思っていました」
――序盤の作戦はいかがだったでしょうか。
「1歩得になったところは自信があるのかなと思っていたのですけど。考えてみると結構、(56手目の局面などで)△8七金とかもあって、手の組み合わせが難しいかなと思っていました」
――昼食休憩後、▲2五金(51手目)と金で攻めて行ったあたりはいかがだったでしょうか。
「攻めていくとしたらこういう感じなのかなと思っていました。ただ、自分の方の玉が結構薄いので、反動が厳しいかなと思っていました」
――2筋の攻防で強気な攻めが見られましたが、あのあたりはどういう考えで指されていましたか。
「△2二角(56手目)と引かれたところで、△8七金が結構厳しいことに気づいて。ちょっとまっとうに攻めたのでは厳しいかなと思って▲1五歩としました。予定変更ではあったので、その辺りはギリギリかなと思っていました」
――終盤は一進一退の攻防だったと思いますが、難しいと思った局面はありますか。
「△5五歩(108手目)と止められたあたりは結構難解なのかなと。形勢がちょっとわかっていなかったです」
――よくなったと思ったのはどのあたりでしょうか。
「▲3二歩成(131手目)と守りの金を外したところで、手になっていそうかなと思っていました」
――最終盤はどのような想いで指されていましたか。
「結構苦しいなと思っていた局面もあったので……でも、大きなミスをするとすぐ負けになってしまうので、そこは気を付けてやりました」
――初の挑戦で女流名人となられました。いまのお気持ちを聞かせてください。
「結果はなんとか幸いしましたが、内容はよくないところもあったかなと思いますので、そこは反省して、今後も頑張りたいなと思います」
――女流三冠に返り咲いて、今後の抱負を聞かせてください。
「目の前の1局1局を大事に今後もやっていきたいなと思っています」
【伊藤前女流名人の談話】
――本局を振り返っていかがでしたか。
「先手から仕掛けられたので、それに対応していくような展開になったかなと思います」
――序盤戦はどのように感じていましたか。
「難しいかなと感じていました」
――▲8六同歩(45手目)で昼食休憩に入りましたが、このあたりはいかがでしたか。
「駒がぶつかったところなので、慎重に読みを入れていたという感じです」
――終盤、▲4一馬(123手目)に△2一銀と引いたあたりの形勢判断はいかがでしたか。
「しっかりと指せれば難しいかな、ぐらいはあるんじゃないかなとも思ったのですけど。やっぱりちょっと上が開けるまで時間がかかるので。なかなか先手玉のほうに迫る手も難しそうかなという感じで。本譜はうまく指されたなという感じです」
――最終盤はどのような思いで指されていましたか。
「どこかでこちらが間違えてしまったような感じがしていたので。もうちょっとこう、自玉が見えなくなる手を探したかったですけど、ちょっと私には見えなかったです」
――今シリーズを振り返っていかがでしたか。
「全部対抗形の将棋になって。自分なりにいろいろと頑張ってきたつもりではあるのですけど。中盤以降に課題が残る将棋が多くなってしまって。その辺りが反省です。西山さんと4局指せたので、それはとても、自分にとっては大きい経験になったかなと思います」
――女流名人というものを背負っての1年間はどのような1年でしたか。
「獲ってみないとなかなか味わえない経験を1年間させていただいたので、とても感謝しています。1年で失ってしまうのは悔しいといえば悔しいのですけど、自分なりに一生懸命やった結果ですので、しっかりと受け止めて、また前を向いて歩いていきたいかなと思います」
――来期はリーグから挑戦となりますが、来期に向けての想いを聞かせてください。
「リーグ戦なので、1局1局の積み重ねですので。自分の力を出し切れるような将棋を指せたらなと思っています」
(八雲)