現地大盤解説会は新型コロナウイルスの感染拡大により、無観客に変更されました。Youtubeでの配信となります。
日時:1月23日(日)13時30分~終局まで
解説:大石直嗣七段
聞き手:石本さくら女流二段
【大盤解説会オンライン配信】
https://www.youtube.com/watch?v=BHanUAGZ_2E
【第48期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負第2局の大盤解説会の無観客開催について】
https://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1642485546471/index.html
以上で本日のブログ更新を終わります。明日の対局をお楽しみに。
(飛龍)
18時から、ニューウェルシティ出雲の高砂の間で激励会が行われました。
まずは主催社挨拶で始まりました。
「前人未到の13連覇を目指す里見女流名人とリーグを8勝1敗で抜けた伊藤女流三段の対戦。熱戦を期待しています」
「里見女流名人は五冠に返り咲きましたが、研鑽を怠らない姿勢を続けています。伊藤女流三段はタイトルを取っていないのが不思議という実力者。大熱戦になることは間違いありません」
「今回で12回目となる出雲開催をうれしく思います。全国の皆さまに大盤解説会の配信を楽しんでいただければ。今期の女流名人戦が名勝負になることを願っています」
(飛龍)
インタビュー後、両対局者はオンライン大盤解説に出演しました。
木村 先手になって角を交換する、前例にある形になりました。ある程度想定していたのでしょうか。
伊藤 飛車先を決めたら、本譜のような順か角道を止めてくる順かと思っていました。端歩の突き合いがどのくらい影響があるかわかりませんでした。
木村 有利になったという感触はどこで得ましたか。
伊藤 ずっと難しいと思って指していました。終盤の▲6四角(95手目)と銀を取れたところで優勢を意識しました。
木村 角を換える序盤でした。想定していた部分、していない部分はありましたか。
里見 そうですね。当然、想定していた部分もありましたが、なかなか想定通りにはいかなかったですね。
木村 △7七角(42手目)で昼食休憩でした。そのあたりは想定でしたか。
里見 いけるのかなと思って踏み込んだのですが、やや無理だったのかなと思います。ちょっとやりすぎてしまったと思います。
木村 そのあと熱戦が続きましたが、結局先手が押し切りました。あらためて、対局場の印象をお聞かせください。
伊藤 快適な環境を整えてくださり、対局に集中できました。大変な状況の中ですが、とても感謝しています。
里見 毎年、すごく対局に集中できるように環境を整えてくださって、今年は昼食のメニューも増やしてくださり細かいところまでお気遣いいただいていることを本当に感謝しております。
木村 第2局が来週に行われます。抱負をお聞かせください。
伊藤 第2局は近いですが、しっかり整えて対局に臨みたいと思います。
里見 本局は不甲斐ない内容になってしまいました。来週第2局ですが、しっかりコンディションを整えて挑めたらと思います。
(銀杏)
終局直後に主催の報知新聞社が対局者にインタビューしました。 (終局後の様子)
――一局全体を振り返っていただきます。
伊藤 早い段階からミスが許されない将棋と思って指していました。ずっと難しいかなと思って指していました。
――序盤で工夫があったと思います。角交換から▲5三角(13手目)の成否はいかがでしたか。
伊藤 何局か指したことはありますが、端歩の突き合いがどのように影響してくるのかはわかっていませんでした。後手が香を走ってくる順もあるのでわかりませんでした。
――▲5六歩(35手目)と突いてさらに激しくなりました。そのあたりについてはいかがでしょうか。
伊藤 △4四銀(34手目)が何でも△6五銀と取ってくる将棋と思いました。こちらは仕方ないと思って▲5六歩を選びましたが、結構攻められる感じだったので、どうなっているかしっかりとはわかっていなかったです。
――△7七角(42手目)で昼食休憩になりました。その局面をどう見ていましたか。
伊藤 清算して△5六飛(46手目)と進んだときに△5七飛成をどう受けるかで相当悩みました。▲4八玉(65手目)と逃げた形が意外と耐久力があるといいますか、すぐには先手玉への寄せが見えませんでした。どうなっているか難しいと思いますが、しっかり考えて、こうかなと思っていました。
――▲4八玉で収まるまでは玉が危険でしたが、そのあたりはどうでしたか。
伊藤 ほかの順が逆にわかりませんでした。つぶされてしまう順はいろいろあると思いますが、▲5八歩(47手目)にどのようにつぶされるかわからなくて本譜を選びました。
――終盤はいかがでしたか。
伊藤 本当にわからなくて。桂を取ったとき(73手目▲6四歩)にどのように指されるかわかりませんでした。どう応じても味が悪いと言いますか、後手の嫌みを突いていると思いましたが、わからなかったですね。
――明確によくなったと思ったのはどのあたりでしょうか。
伊藤 ▲6四角(95手目)と銀を取れたあたりです。
――勝ちになったと思われたのは?
伊藤 本当に最後、▲7三金(111手目)と打って受けが難しいので、読み抜けがなければ勝ちかなと思いました。
――五番勝負を白星でのスタートとなりました。1勝を挙げた気持ちはいかがですか。
伊藤 結果はうれしいですが、先は続いていくので、また次局も頑張ろうと思います。
――里見さんとの7度目の番勝負で初めて白星スタートです。いままでの違いはありますか。
伊藤 結果は本当にうれしいですけども、気を緩めてはいけないと思うので引き締めたいと思います。
――3年前、4年前は悔しい結果だったと思います。箱根対局を白星で終えたことについてコメントをお願いいたします。
伊藤 3年前は一方的になってしまったので、そういう風にならないようにできたのがまずよかったと思います。配信の時間で形勢に差がついているとよくないと思うので、早い終局にならなくてよかったです。
――大きなものに向かっていくうえでの1勝になりました。次局以降に向けてうかがえたらと思います。
伊藤 五番勝負なので、まず1勝できたのはよかったです。あとも一生懸命頑張りたいと思います。
(伊藤女流三段は7回目となる里見女流名人とのタイトル戦で初めて開幕局を制した。大きな白星スタート)
――一局を振り返っていただけたらと思います。
里見 早く攻めていく展開にしましたが、やりすぎてしまったかなという気がしています。
――序盤で△9五歩(22手目)と早いテンポで指されたのは想定の順という気がします。序盤についてどのように感じていましたか。
里見 端歩を生かして指そうと思っていました。
――昼食休憩で△7七角(42手目)と力強く打ち込まれましたが、局面をどう感じていましたか。
里見 やっているときはいけるんじゃないかと思いましたが、▲5八歩(47手目)のときにあまり思わしい攻めがなかったです。いい手順があったかなという気はしています。本譜は純粋に駒損の手順になってしまい、先手玉の薄さとの代償がなくなってしまいました。そこではっきり苦しくなったと思います。
――第2局に向けて出直しになると思いますが、抱負をお願いいたします。
里見 今日の将棋は内容がひどかったので、次局までにコンディションを整えていけたらと思います。
――第2局は地元の出雲になります。そこで指すことについてお聞かせください。
里見 コロナ禍の中でも、地方対局を開催していただいています。自分の力を出しきれるように努めたいと思います。