里見香奈女流名人に加藤桃子女流三段が挑戦する第47期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負は、里見女流名人が先勝して第2局を迎えました。
対局は1月24日(日)島根県出雲市「出雲文化伝承館 松籟亭」で行われます。対局開始は9時。持ち時間は各3時間、先手は里見女流名人です。立会人と大盤解説会解説は山崎隆之八段、聞き手は北村桂香女流初段、記録係は伊藤明日香女流初段、観戦記の執筆は相崎修司さんがそれぞれ務めます。
・スポーツ報知(主催)
https://hochi.news/
・株式会社ユニバーサルエンターテインメント(特別協賛)
http://www.universal-777.com/corporate/culture/shogi/
・出雲文化伝承館(対局場)
http://izumo-zaidan.jp/tag/izumobunkadensyoukan/
・棋譜中継ページ
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/kifu/47/joryumeijin202101240101.html
中継は棋譜コメント入力を文記者、ブログを武蔵が担当いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。
(武蔵)
YouTube配信で解説を担当した屋敷九段、鈴木女流三段、室谷女流三段が岡田美術館で開催中の若冲展を見学しました。終局が早かったため、掲載するタイミングを逸してしまいましたが、あらためて紹介いたします。
(鈴木女流三段が最も感激した孔雀鳳凰図。90年近く行方がわからなかった逸品)
伊藤若冲は享保元年(1716年)2月8日生まれ。数え年23歳で4代目源左衛門を継いで絵画制作に取り組みました。若冲の名前は「大盈は冲むなしきが若きも、其の用は窮まらず」という老子の一節に由来します。
岡田美術館では若冲展が開催中です。会期は3月28日(日)までとなっております。
【若冲展・展覧会ページ】
https://www.okada-museum.com/exhibition/
また、スポーツ報知では「報知美術部」という特集ページがあります。毎月最終木曜日に掲載されます。あわせてお楽しみください。
(昨年11月に掲載された若冲特集。孔雀鳳凰図をはじめ逸品が紹介された)
第1局の中継は以上です。第2局もお楽しみに!
(琵琶)
――全体を振り返ってください。
里見 5筋の歩を切る展開になって、そのあと1手間違えるとお互いすぐに崩れてしまう将棋だと思っていました。難しいながらも積極的に動いて行けたかなと思います。
――2筋の突き捨てに対して角を出る(32手目△2四同角)局面は自信がありましたか。
里見 それ以外だと指しにくくなってしまうのかなと思っていたので、そのあたりは一直線になると見ていました。
――▲5五歩(35手目)と蓋をされたあたりについて成算はありましたか。
里見 あまりゆっくりできない形なので、攻めていくしかないと。難しいと思っていました。
――昼食休憩が明けてからよどみのない展開になりました。
里見 △5二金左(38手目)と閉まった形で攻めることになったので、読んでいて楽しい展開でした。
――終盤も悪い手がなかったように見えましたが、ご自身もそのような印象だったのでしょうか。
里見 指しやすいところから勝ちにつなげるのは間違えやすいので、気を引き締めていました。
――加藤女流三段と女流名人戦では初対戦でした。どんな印象でしたか。
里見 これまで積極的に動いてこられることが多かったので、今回は先後がどうなるかわからなかったのですが、そのあたりを警戒していました。
――大きな記録が懸かったシリーズで1勝を挙げました。
里見 いいスタートが切れたので、先後の決まっている第2局はしっかり勉強して挑めたらと思います。
――YouTubeチャンネルでも配信があり、多くのファンが見守っていました。
里見 将棋に興味を持ってくださる方がたくさんいるのはうれしいこと。今後もそのような状況が続くように、自分ができることを精一杯していけたらと思います。
――第2局は地元・出雲での対局になります。
里見 楽しみにはしているのですが、対局ですのでコンディションを整えることに集中したいと思います。
――一局を通しての感想をお願いします。
加藤 こういう展開になると思っていたものの、▲5五歩(35手目)を打つところで指し方の方針がいろいろあって。悩みながら指していました。▲5五歩(35手目)を打った瞬間が気持ち悪いですし、受けに回る展開になってしまいます。読みを入れたつもりでしたが、本譜が一直線に戦う変化に成算が持てず、予定変更をしてしまいました。本譜は完敗。△5六香(60手目)と打たれてからは粘りの利かない形になってしまいました。
――自陣の角をさばくのが難しい展開になってしまいました。加藤 2筋は、そうですね。▲5五歩(35手目)と打つ展開にするなら微妙ですし……。まぁこんなもんかなと思って指していたので仕方がないですね。
――里見さんとは何度も対局を重ねてきましたが、女流名人戦の舞台では初めてでした。
加藤 女流名人戦は初めてですし、久しぶりの里見さんとの対戦で気合を入れていたのですが、まだまだ局面の理解度が低いと言うことがわかったので、反省して次に間に合うようにしておきたいです。
――第2局の抱負をお願いします。
加藤 先後が決まっているのと、里見さんの地元の出雲での対局ですね。個人的には出雲に行くのが楽しみにしているところです。第2局以降はもうちょっと力を出せるように……。一週間ぐらいしかないですが、調整していきたいと思っています。
――YouTubeチャンネルでも多くのファンが熱視線を送っていました。
加藤 配信があるだけでもありがたいですし、多くの方に見てくださっていたと聞いてうれしいです。感謝の気持ちでいっぱいですが、不甲斐ない内容だったので、次は頑張るのでまた見ていただけたらと思っています。
(琵琶)
図の局面で加藤女流三段が投了しました。終局時刻は15時19分。消費時間は▲加藤2時間53分、△里見1時間16分。
里見女流名人は12連覇に向けて、好スタートを切りました。第2局は1月24日(日)に島根県出雲市「出雲文化伝承館 松籟亭」で行われます。
(紋蛇)
15時、局面が大きく動きました。1図から△4六竜▲4五歩△5八歩成▲2一竜△6八と▲同金△5七香成(2図)と進み、後手が勝勢になっています。
(琵琶)