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2021年1月17日 (日)

終局直後の様子

Dsc_7560【勝った里見女流名人の談話】

――全体を振り返ってください。
里見 5筋の歩を切る展開になって、そのあと1手間違えるとお互いすぐに崩れてしまう将棋だと思っていました。難しいながらも積極的に動いて行けたかなと思います。
――2筋の突き捨てに対して角を出る(32手目△2四同角)局面は自信がありましたか。
里見 それ以外だと指しにくくなってしまうのかなと思っていたので、そのあたりは一直線になると見ていました。
――▲5五歩(35手目)と蓋をされたあたりについて成算はありましたか。
里見 あまりゆっくりできない形なので、攻めていくしかないと。難しいと思っていました。
――昼食休憩が明けてからよどみのない展開になりました。
里見 △5二金左(38手目)と閉まった形で攻めることになったので、読んでいて楽しい展開でした。
――終盤も悪い手がなかったように見えましたが、ご自身もそのような印象だったのでしょうか。
里見 指しやすいところから勝ちにつなげるのは間違えやすいので、気を引き締めていました。
――加藤女流三段と女流名人戦では初対戦でした。どんな印象でしたか。
里見 これまで積極的に動いてこられることが多かったので、今回は先後がどうなるかわからなかったのですが、そのあたりを警戒していました。
――大きな記録が懸かったシリーズで1勝を挙げました。
里見 いいスタートが切れたので、先後の決まっている第2局はしっかり勉強して挑めたらと思います。
――YouTubeチャンネルでも配信があり、多くのファンが見守っていました。
里見 将棋に興味を持ってくださる方がたくさんいるのはうれしいこと。今後もそのような状況が続くように、自分ができることを精一杯していけたらと思います。
――第2局は地元・出雲での対局になります。
里見 楽しみにはしているのですが、対局ですのでコンディションを整えることに集中したいと思います。

Dsc_7597【敗れた加藤女流三段の談話】

――一局を通しての感想をお願いします。
加藤 こういう展開になると思っていたものの、▲5五歩(35手目)を打つところで指し方の方針がいろいろあって。悩みながら指していました。▲5五歩(35手目)を打った瞬間が気持ち悪いですし、受けに回る展開になってしまいます。読みを入れたつもりでしたが、本譜が一直線に戦う変化に成算が持てず、予定変更をしてしまいました。本譜は完敗。△5六香(60手目)と打たれてからは粘りの利かない形になってしまいました。
――自陣の角をさばくのが難しい展開になってしまいました。加藤 2筋は、そうですね。▲5五歩(35手目)と打つ展開にするなら微妙ですし……。まぁこんなもんかなと思って指していたので仕方がないですね。
――里見さんとは何度も対局を重ねてきましたが、女流名人戦の舞台では初めてでした。
加藤 女流名人戦は初めてですし、久しぶりの里見さんとの対戦で気合を入れていたのですが、まだまだ局面の理解度が低いと言うことがわかったので、反省して次に間に合うようにしておきたいです。
――第2局の抱負をお願いします。
加藤 先後が決まっているのと、里見さんの地元の出雲での対局ですね。個人的には出雲に行くのが楽しみにしているところです。第2局以降はもうちょっと力を出せるように……。一週間ぐらいしかないですが、調整していきたいと思っています。
――YouTubeチャンネルでも多くのファンが熱視線を送っていました。
加藤 配信があるだけでもありがたいですし、多くの方に見てくださっていたと聞いてうれしいです。感謝の気持ちでいっぱいですが、不甲斐ない内容だったので、次は頑張るのでまた見ていただけたらと思っています。

Dsc_7567(終局直後の主催社インタビューの様子)

(琵琶)

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