前夜祭(5)
◆里見香奈女流名人の挨拶◆
皆様こんばんは。里見香奈です。湯原温泉の皆様には、到着しますといつも温かい歓迎をしていただきまして、ありがとうございます。
今期の湯原温泉での対局は、第4局で指させていただくことになりました。いつもは第3局でこちらに来させていただくのですが、今期から岡田美術館様にご尽力いただきまして、第1局は箱根で開催していただきました。本当にこの女流名人戦を開催するにあたって、たくさんの皆様にご協力いただいていることを、心より感謝申し上げます。
一昨年に休場しまして、皆様に本当にご心配やご迷惑をお掛けしました。皆様の優しいお心遣いをいただきまして、もう一度頑張ろうと思うことができました。話は変わりますが、昨年は戦後70年ということで、改めてそのときの様子などを拝見しましたが、そのときに自分は無事に生活をすることができて、そのうえ楽しい将棋を指させていただけていて、本当に幸せな人生だなと思いました。明日は自分の力をすべて出しきれるように、とにかく一生懸命、前に向かって頑張っていきたいと思います。
◆清水市代女流六段の挨拶◆
改めまして、皆様こんばんは。挑戦者の清水市代です。本日は本当に温かく優しい前夜祭を賜りまして、ありがとうございます。また、こちらに入ります際に、立派な横断幕を掲げていただきまして、それを見上げて皆様のお心遣いを感じまして、うれしくこちらに参りました。そして1年ぶりに皆様にお会いできますことを楽しみにして、来させていただきました。
いま、里見女流名人の素晴らしいご挨拶を聞かせていただいて、自分自身、身が引き締まる思いであります。
こちらに来る前に、勝山に散策をさせていただきまして、皆さん御前酒をお飲みになられましたよね? どうでしたか? おいしかったですか?(「おいしかった」の返答に)はい、ありがとうございます。私が蔵元ではないのですが(笑)。実は辻本店を見学させていただいて、利き酒っていうんですかね。いろんなお酒を少しずつ対局前なんですがいただいちゃいまして、たいへんおいしくって、身も心もポカポカになりました。
先ほどから皆様の壇上のご挨拶で「ベテラン、ベテラン、ベテラン」と何度言われましたことか(笑)。ベテランではございますが、明日は新人になったつもりで、里見女流名人に思いきりぶつかっていきたいと思います。
ところで今日は何日でしたっけ?13日ですよね。ということは明日は14日です。14日は1と4が並んでおりまして「いちよの日」であります。明日は記念日ということで、皆様の記憶に残るようにいい将棋をしっかり指して、いい思い出を作って帰りたいと思いますので、里見女流名人、どうぞよろしくお願いします(笑)。
(書き起こし:潤記者/撮影:夏芽)