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2016年1月16日 (土)

前夜祭 開会

Dsc_0184 (早川正・報知新聞社 代表取締役社長)

皆さまこんばんは。ただいま紹介に預かりました報知新聞社の早川でございます。岡田美術館杯に冠名を新たにいたしました女流名人戦、いよいよ明日第1局でございます。今日は週末のお忙しい中、日本将棋連盟の谷川会長をはじめ、大勢の皆さま方にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。会場をここ箱根の地に移しましたけれども、箱根は私ども報知にとりましても、たいへん縁の深い場所です。新春恒例の箱根駅伝に長年携わっておりますから、私どもにとりましても聖地でございます。そこに駅伝に加えて、今度、女流タイトル戦のビッグなイベントを開催できますことは非常にうれしく思うと同時に、光栄に思っています。
第42期の顔ぶれは、昨年に続きまして里見女流名人と清水女流六段の対戦ということになりました。現在最強の対決ということで、ファンの関心も非常に高まっております。7連覇を目指す里見女流名人と、10期を獲得され、7期ぶりの名人奪回を目指す清水さんの対決。それに加えて、先ほどの控室で話題になっていましたけれども、岡田美術館というアートミュージアムで行われる棋戦。いかにも女流に親和性のある、エレガントな舞台設定も整い、素晴らしい戦いが展開されるのではないかと思っております。
先ほど岡田美術館を見学させていただきましたけれども、中に入りますと福井江太郎さんの大きな壁画がありまして、風神と雷神が描かれておりまして、あ、そういえば里見女流名人も出雲のイナズマといわれているな、そうなると清水さんは風神か、いやいや、最近の箱根での勝負事を見ておりますと、山の神が全部決めているような感じもある。風神と雷神に山の神が加わったら、いったいどんなことになるのだろうと、心は千々に乱れてきました。明日の対局、お二人とも大いに実力を発揮していただいて、素晴らしい対決を見せていただければと思います。終わりになりますが、本棋戦をともに主催していただいている日本将棋連盟さま、そして長年にわたり特別協賛をいただいているユニバーサルエンターテインメントさま、岡田美術館さまをはじめ、皆さま方には心から御礼を申し上げます。

Dsc_0186 (谷川浩司・公益社団法人 日本将棋連盟会長)

日本将棋連盟の谷川です。ひと言ごあいさつを申し上げます。本日は第42期女流名人戦五番勝負第1局の前夜祭にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。女流名人戦は装いも新たに、岡田美術館杯としてスタートすることになりました。長年にわたりましてこの棋戦を主催していただいております報知新聞社さま、特別協賛をいただいていおりますユニバーサルエンターテインメントさま、岡田美術館さまをはじめ、ご尽力をいただきましたすべての皆さま方に厚く御礼を申し上げます。
美術館でのタイトル戦は、男性棋戦では(例が)あるんですけれども、女流棋戦では初めてです。里見さんにとって清水さんは常に大きな目標であり続けると思いますし、また清水さんも里見さんの実力を高く評価していると思います。将棋はもちろん勝負なんですけれども、2人でひとつの棋譜を作り上げるという作業でもあります。明日の対局でどのような芸術作品が誕生するか、私も楽しみにしております。
里見さんは昨年、復帰をして、9割以上の高い勝率を残しました。清水さんも女流棋士会の会長を務めながら、またNHKの司会も務めながら、8勝1敗の好成績で挑戦者になりました。充実した2人の戦いですので、きっと素晴らしい五番勝負になると思っております。
最後に、ちょっと私事にもなるんですけれども、今日は1月16日で、明日1月17日というのは、神戸に住む私にとって非常に特別な一日です。箱根も、今日はタクシーに乗ってきたんですが、運転手さんの話を聞いて、昨年のシルバーウィークあたりからずいぶんお客さんが戻ってきたそうです。今日もかなり車が渋滞をしていて、活気が戻ってきたかな、ということを実感いたしました。ぜひ今年はですね、箱根の町に大勢の観光客が訪れることを期待しております。
女流名人戦開催にあたりまして、ご尽力いただきました皆さまに厚く御礼を申し上げまして、また五番勝負が素晴らしい戦いになることを祈念いたしまして、あいさつに代えさせていただきます。

Dsc_0199 (対局関係者が登壇。左から青野照市・公益社団法人 日本将棋連盟専務理事、島朗・公益社団法人 日本将棋連盟常務理事、立会人の先崎学九段、大盤解説者の豊川孝弘七段、大盤解説聞き手の室谷由紀女流二段、記録係の高浜愛子女流3級)

(書き起こし・文、写真・吟) 
 
 

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