おはようございます。
第40期女流名人位戦五番勝負第2局は2014年1月26日(日)9時に対局が開始されます。
持ち時間は各3時間、昼食休憩は12時から13時まで。
対局場は千葉県野田市「関根名人記念館」、立会人は佐藤康光九段、記録係は小高悠太郎初段(17歳、所司和晴七段門下)が努めます。
本局のツイッター解説は大平武洋五段が担当します。
どうぞよろしくお願いします。
(野辺)
解説の真田圭一七段
聞き手の矢内理絵子女流四段
佐藤 里見さんは昨年は振り飛車党なのですが、いろんな戦法を指されて、けっこう居飛車の将棋も多かったです。一方の中村さんは四間飛車ほぼ1本ということで。居飛車対振り飛車の対抗形か、相振り飛車ということになると思うのですが。第1局は里見さんが相振り飛車を受けて立ちました。今度は里見さんが先手なので、私の予想だと居飛車対振り飛車の対抗形になるのかなと思っています。
真田 中村さんの振り飛車に里見さんが居飛車ということですね。矢内さん、中村さんが純粋な振り飛車党で大丈夫ですよね。
矢内 はい。
真田 そうですよね。ならば里見さん次第ということになります。僕は関東の奨励会幹事をやっていて、里見さんの棋譜を見ることがあるんです。里見さんは戦法の幅を広げていて、そういった意味では居飛車もあるのですが。ただ第1局で相振り飛車を指しているので。この間の竜王戦でもそうですが、矢倉が続くとずっと矢倉が続くということがあるんですね。第2局で変えてしまえば、そういうことはないんだとあるんです。里見さんが中村将棋をどういうイメージで捉えるかということ大きいですね。ただ奨励会での中村さんのようなノーマルな四間飛車は少ないと思うんですよ。少ないから、経験がないから「相振り飛車にしちゃえ」となるのか、気分を変えて居飛車対振り飛車にするのか。非常に難しいです。僕の直感だと里見さんは相居飛車の将棋なら指したいと思うんですよ。ただ居飛車対振り飛車の将棋はあまりやりたいと思っていないのではないでしょうか。私はとりあえずもう1局、相振り飛車をやるんじゃないかと予想します。
矢内 深い読みですね。私は中村さんと5年くらい前から一緒に研究会をやっていて、研究会では振り飛車でも三間飛車や角道を止めない四間飛車もやったりするんです。里見さんは今回は居飛車でくるんじゃないかと思っています。さきほど里見さんのご挨拶の中で、中村さんと指して「攻め潰された」とありましたよね。その将棋が中村さんの四間飛車に里見さんの居飛車穴熊だったんですね。それをここで返そうというのが、あるんじゃないかなと。
佐藤 里見さんは昨年、女流五冠というところまで行きました。そこから3つ、立て続けに取られてしまって。そのときはちょうど居飛車に対応されていた時期で、やっぱり新しいことに挑戦するとなかなか難しいですから。そのあと女流王座を奪取して女流三冠に戻りましたから。中村さんは女流王将戦で里見さんとタイトル戦を戦ってます。中村さんが先勝して、あと1勝すればというところまで行って。そういった悔しさもあると思います。それをぶつけて挑戦権を獲得し、並々ならぬ決意を持ってきていると思います。
真田 僕は戦型以外の興味は接戦で終盤になって欲しいなと。里見さんの奨励会や女流棋戦の将棋を見ていると、中盤の終わりから終盤の判断力が相当に精度が高いんですよ。指し手の善悪じゃなく、自分がいいのか悪いのか、どこを押さえれば勝てるのかという判断が非常に優れているように思います。その精度の高さが強みです。一方の中村さんですが、たまたま研究会で指す機会があったのですが、難解な終盤になったんですね。難しいので攻めるのか受けるの、あるいはどこまで読み切ろうとするのか。中村さんは秒読みにもかかわらず、ずっとついてくるんです。目のつけどころが鋭くて驚いた記憶があります。なので際どい終盤になると、この両者はすごく面白いと思います。序中盤であまり差がつかず、終盤になだれ込むという展開を期待したいです。
記事書き起こし=吟記者
(野辺)
今日はお忙しい中、たくさんの方にお集まり頂きありがとうございます。私は野田市に来るのは4度目か5度目か(※今回で5度目)。いつも本当に温かく迎えてくれるのが印象的で、対局室は静かでとても集中できます。1年間を振り返り、また対局室に入ると「今年も気合いを入れて頑張ろう」という気になります。今年は中村さんが挑戦者で、以前に女流王将戦でも戦ったことがあり2勝1敗で防衛することができたのですが、その1敗は一方的に攻め潰されてしまったので、そのときの印象がとても強く残っています。そんな中村さんと指せるのは刺激になります。明日は自分の力が出し切れるように頑張りたいと思います。
挑戦者 中村女流二段
本日はお忙しい中、このような盛大な会を催して頂きありがとうございます。私は野田市に来るのが今回で4度目。親子将棋教室で来させて頂いたのですが、熱心な子どもたち、そして熱心なお父さま、お母さま方に刺激を受けて私も将棋を頑張ろうという気にさせて頂いてます。また関根金次郎先生という偉大な棋士が見守ってくれている場所で対局できることを光栄に思います。私も明日は精一杯、力を出して頑張りたいと思います。
記事書き起こし=吟記者
花束贈呈。贈呈者は関根金次郎支部の片寄雅弘さんと宇野澤俊明さん
ここで両対局者は退場
(野辺)