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第60期王座戦五番勝負第4局

2012年10月 3日 (水)

最終盤

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△1九角成で後手優勢と見られていた局面で羽生二冠の選択は寄せに出る△6九桂成。
「先手はもう▲7二金△同銀▲同馬と切って攻めるしかない。以下△同金▲6九金のときに△同飛成から一気に寄せに出るのかもしれません。これは一気に決着がつきそうな勢いです」(田中寅彦九段)

実戦は▲7二金△同銀▲同馬△同金▲6九金に△2九飛成(次図)と進みました。
「ひえー、全然当たらないよ」と勝又六段。慌てて継ぎ盤が直されて再検討が始まりました。

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(20時50分頃の控え室。検討は難解を極めている)

(八雲)

100手目、控え室は後手優勢で一致

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図は100手目、羽生二冠が△4六角で詰めろをかけたところ。
以下▲8九金打の受けなら、ゆっくり△1九角成として先手の攻め駒が少なく攻めが難しいと見られています。
森内名人も「振り飛車が良くなってきた気がします」とのこと。控え室の見解は後手優勢で一致しました。

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(20時20分頃の控え室)

(八雲)

満員御礼

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(20時頃の現地大盤解説会場は入口まで人がぎっしり)

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(陣屋で行われる大盤解説会でも過去最高の入場者数を記録しているとのこと)

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図は20時頃の局面。
消費時間は▲渡辺4時間4分、△羽生4時間15分。

(八雲)

若手チームの見解

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図の局面で検討を進めていた「若手チーム」の見解です。
「▲2八角や▲4六角が無難ですが、△7六銀と絡まれるとほどきにくい。後手に最低でも千日手の選択肢を与えてしまいそうです。それを避けるなら、ここで▲6四角と切るしかないと思います。以下△同金▲5四飛△同金▲同角成(参考図)として、次に▲7四歩を狙いにします。▲7四歩が入れば次は詰めろになるので相当の攻めです。ただ、▲5四同角成の瞬間が怖いところで、馬を抜かれるような順があると先手が負けそうです。一例としては▲5四同角成に△5七桂不成▲7九金△5九飛で次に△6九桂成の狙いです」(伊藤真吾四段、高見泰地四段、加藤桃子女流王座)

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19時50分頃、実戦も若手チームの検討通りに進み、参考図の局面で羽生二冠が考えています。


(八雲)

19時30分頃の控え室

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(若手チームの継ぎ盤)

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(こちらは大ベテランチーム)

(八雲)

夜戦へ

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19時を回り対局再開。
渡辺王座はすぐに角を取りました。△6六同歩で次に△7六銀が残り危険と見られていた手ですが、王座の目には違う世界が見えているのでしょうか。

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(夕食休憩中に控え室に来訪した将棋連盟理事の田中寅彦九段)

(八雲)

行方八段は後手持ち

夕食休憩の局面で、行方八段の見解は後手持ち。
「△7二飛が絶品ですね。先手は6六角を取れないようでは流れがおかしい。▲8八玉~▲8七銀打で頑張るとしても、苦しいと思います。少し戻って60手目の△4六歩(図)で後手がペースをつかんだのではないでしょうか」(行方八段)

ただし、大盤解説を担当していた森内名人は、形勢難解と見ているとのこと。
控え室の見解も割れる、難解な局面のようです。

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(夕食休憩中の対局室)

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(羽生二冠側から見た盤面)

(八雲)

夕食休憩

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検討陣をどよめかせた△7二飛の局面で夕食休憩に入りました。
消費時間は▲渡辺3時間35分、△羽生3時間46分。
夕食の注文は、渡辺王座「天ぷらうどん」、羽生二冠「おにぎり、オレンジジュース」
対局は19時に再開します。

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(天ぷらうどん)

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(おにぎりのセット)

※食事の写真は対局者と同じものを注文して撮影いたしました。

(八雲)

検討陣どよめく

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図は羽生二冠が▲6七銀引に角を逃げずに△7二飛と回ったところ。

「ここで!」
「これがやりたかったのか」
「これは見えないなあ」
この手はまったく予想されておらず、検討陣からは驚きの声。

時刻は17時45分。まもなく夕食休憩の時間です。

(八雲)

陣屋事件

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(有名な陣屋事件のあらましが書かれている)

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(陣屋事件の後、升田幸三九段が来訪した際に残した色紙)

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(そのほかにも多くの色紙が飾られている)

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(八雲)

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