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2018年7月

2018年7月27日 (金)

難解

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控室では現局面で▲6六金とかわす手が考えられていますが、以下△8六歩▲5五歩△8七歩成▲5四歩△7八と▲5三歩成△6九と▲4三と△同金の攻め合いは後手が勝つようです。先手が景気よく攻めているようでも、先手の4七玉型が響いてまっすぐに攻め合うと後手のパンチが先に届いてしまいます。斎藤七段はどこかで工夫が必要と見られています。

(康太)

中原誠名誉王座が検討に加わる

斎藤七段が▲6三とと寄った手に対し、(1)△6八歩か(2)△5四金かが難しいところと見られていましたが、渡辺棋王は△6八歩を選択しました。盤上が激しさを増すなか、なんと控え室に中原誠名誉王座が。すでに来訪していた村山慈明七段と継ぎ盤を挟み、検討が開始されました。

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「これは▲6八同飛かな、▲同銀もあるんだろうか」(中原名誉王座)

「はあーなるほど、飛車が使いにくくなるので見えにくいですが、そちらも有力そうですね。▲6八同銀には△6三金▲6六金△6四金で……」(村山七段)

「そこで▲1五歩で、どうかな」(中原名誉王座)

「なるほど、端を突かれると嫌な感じですね。(現局面で)ほかには▲2九飛はいかがでしょうか」(村山七段)

「(▲2九飛以下)△6三金▲6七金△5七桂成▲同金寄で。そうか、桂を渡すと後手陣もキズがあるね。結構手が広い局面かもしれないな」(中原名誉王座)

Photo_44検討する中原名誉王座。

Photo_45同じく村山七段。


Photo_46
中原名誉王座は椅子に座って検討中。意見交換は活発に行われた。

(康太)

15時、再び駒がぶつかる

午前に起こった戦いはいったん収まり、駒組みが続いていましたが、15時になって今度は斎藤七段が戦いを仕掛けました。

55第1図以下、△7五同歩▲7四歩△7六歩▲7三歩成△7七歩成▲同金△7三金(第2図)と進行。

62_37筋の攻め合いで、互いに桂を持ちました。陣形は後手のほうがまとまっていますが、手番は先手。斎藤七段の後続手に注目です。

Photo_42 斎藤七段は手番を有効に使えるか。

(康太)

将棋会館1階の売店

Photo_37 売店には書籍から将棋盤、駒などがされている。

Photo_38 左は中村太地王座と先崎学九段の新書「先崎学&中村太地 この名局を見よ!20世紀編」。右は午前中にも紹介した「関西若手棋士が創る現代将棋」(いずれもマイナビ出版)。斎藤七段と船江六段は表紙にも登場。

Photo_39扇子も販売されている。

Photo_40 中村太地王座の扇子。

Photo_43渡辺棋王の扇子。「一歩千金」と揮毫されている。

Photo_41こんなティーシャツも販売されている。描かれているのは豊川孝弘七段だ。

(康太)

鳩森神社

東京の早朝は曇っていたが、次第に晴れ間が広がってきた。写真は11時に撮影したもの。

Photo_31 鳩森神社の入り口。

Photo_367月30日には将棋大会が開催されるようだ。

Photo_32千駄ヶ谷の富士塚。

Photo_33境内には七五三の着物が飾られている。

Photo_34映画の看板も。「泣き虫しょったんの奇跡」はさきほど控室に来訪した瀬川晶司五段の足跡を描いた映画で、今年秋に公開される。

Photo_35緑が一面に広がり、セミの鳴き声も盛んに聞こえてきた。

(康太)

瀬川晶司五段が来訪

13時すぎ、図の局面で斎藤七段の考慮中に瀬川晶司五段が控室に来訪しました。

50「現局面は難しいですが、なんとなく先手を持ってみたいですね。苦労は多そうですが持ち駒も多いので、苦労のしがいはあるように思います」と、先手持ちの見解を示しました。

Photo_30

継ぎ盤を見て解説中の瀬川五段。

(康太)

対局再開

Photo_25 両者とも12時30分には戻っていた。

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Photo_27渡辺棋王は悩ましい様子を見せる。

Photo_28斎藤七段は脇息に寄りつつ視線は盤面に。

Photo_29 再開後の特別対局室。しばらくしてから渡辺棋王は△4四歩を着手。

(康太)

昼食休憩

12時、図の局面で渡辺棋王が36分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲斎藤七段1時間5分、△渡辺棋王1時間27分。昼食の注文は渡辺棋王がヒレカツ丼ライトのご飯少なめ、赤だし(ふじもと)、斎藤七段がうな重セット、赤だし(ふじもと)。対局は12自40分に再開されます。49

Photo_18実際の盤面。

Photo_19昼食休憩時の特別対局室。

Photo_20盤側の机には記録用紙が置かれている。

Photo_21 渡辺棋王が注文した「ふじもと」のヒレカツ丼ライトと赤だし。撮影用に対局者と同じものを注文している。

Photo_22斎藤七段はうな重セットを注文。こちらも「ふじもと」のメニューだ。

(康太)

船江恒平六段が控室に

10時45分、船江六段が控室に来訪しました。47

「現局面ではひとまず△8六歩▲同歩△同飛と進めてみたいです。そこで▲8七歩△8一飛▲5五歩で後手がまずいようですが、以下△6五銀▲同銀△同桂▲同飛に△5六角▲6八飛△7八角成▲同飛△8七飛成(参考図)の返し技があります」と解説。ここまで進めば後手が指せるようです。

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Photo_15検討中の船江六段。

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手には発売されたばかりの「関西若手棋士が創る現代将棋」(マイナビ出版)。菅井竜也王位、豊島将之棋聖、糸谷哲郎八段、稲葉陽八段、斎藤七段、船江六段といった、関西若手棋士の素顔が描かれている。

(康太)

驚きの進行

斎藤七段は渡辺棋王の仕掛けに▲5八玉と対応。以下△5六銀▲同歩△5四銀と進行しました。44銀交換から一気に攻めるのかと思われましたが、一転して元の位置に銀を戻す、驚きの一着です。手元のデータベースで検索しても現局面の前例は発見できず。先手にだけ銀を持たれても玉頭にキズを作ったので十分という発想でしょうか。渡辺棋王は仕掛けからノータイムで進めており、周到な準備を感じさせます。

Photo_13渡辺棋王は工夫の順を見せる。

Photo_14斎藤七段は渡辺棋王の工夫にどう応えるか、ここは手が広い。

(康太)

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