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桐山九段に午前のまとめと今後の展開を伺いました。
――午前の流れを振り返って
「いくつか戦型を予想していましたが、矢倉と雁木の形になるとは思いませんでした。特に雁木はほとんど指されませんので」
――なぜ雁木はプロ棋士から敬遠されるのでしょうか
「玉を固められないというのが大きな理由です。とにかく雁木は玉が薄い。居飛車でも振り飛車でも『玉を堅く固める』のが最近の流行ですが、その流れにあっていないんです。今は雁木が好きな人だけが指すという状況です。ちなみに私は指しません。指しこなせません。若手の中村さんが採用したということは非常に興味があります。どのような用意があるのか」
――午後の展開はどうなると予想しますか
「△5一角(図)は△8四角を狙っています。以下は△7三桂から△6五歩が自然です。注目すべきは先手の対応です。具体的には6八角型のままで戦うか、それとも角を移動するか。角を動かすなら、後手と同じように▲3六歩~▲5九角~▲2六角の要領です。どちらが先攻するかは先手次第ですね」
本譜は図から▲8八銀と引きました。桐山九段が指摘する△8四角~△7三桂~△6五歩の筋を警戒しています(△6五歩▲同歩△同桂の両取りを事前に避けている)。また▲7七桂を用意した意味もあります。羽生王座は6八角型で応接するつもりなのかもしれません。
(桐山九段)
(牛蒡)
図の局面で昼食休憩に入りました。 消費時間は▲羽生1時間21分、△中村1時間20分(持ち時間、各5時間)。
後手の陣形は「雁木」です。後手は△6二飛~△7三桂~△4五歩から△6五歩と突けば、破壊力のある攻めが見込めます。しかし桂を跳ねると桂頭がキズになります。また、先手の矢倉に比べて玉が薄いのが気がかり。攻守のバランスに注意する必要があります。
(牛蒡)