第71期王将戦七番勝負第1局 Feed

2022年1月10日 (月)

おはようございます。本日の掛川も晴れ、予想最高気温は13度と昨日と似た天気です。
対局2日目のスケジュールは以下のとおりです。

9時   封じ手開封、2日目開始
10時30分 午前のおやつ
12時30分 昼食休憩
13時30分 対局再開
15時   午後のおやつ
??時??分 終局

Dsc_3095(二宮金次郎像。金次郎は幼名だ。掛川は尊徳の唱えた報徳思想と縁が深い土地である。大盤解説会や取材本部は、報徳思想を伝える公益社団法人「大日本報徳社」の建物で行われる)

2022年1月 9日 (日)

Dsc_3077(渡辺王将は窓の外を見ていた。藤井竜王は別室で封じ手を書いている)Dsc_3080(藤井から封じ手の入った封筒を渡辺が受け取り、サインを入れる)

Dsc_3081(藤井から立会人の森内に封筒を渡し、1日目が終了した)

Dsc_3091(席を立つ藤井竜王)

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1日目午後は超スローペースの進行です。昼食休憩前の▲8六歩に△1四歩▲6六歩△3三銀▲1六歩△4四歩と、5手しか進んでいません。

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▲8七金をなかなか上がらない先手の狙いは、▲5六角と思われます。▲7五歩と▲3五歩の攻めを狙っており、特に▲7五歩の桂頭攻めは▲8六歩で△8五桂を防いだと考えれば味がいいです。

封じる側が決まる18時まで、残り1時間を切っています。勝負どころの連続で、封じ手を巡る駆け引きも水面下で行われていそうです。

Dsc_3013(百戦錬磨の渡辺王将。17時過ぎに△4四歩を指したのは、難しい局面で手を渡して、封じ手との兼ね合いを悩ませる狙いだろうか)

掛川市立中央図書館では、指導対局が行われています。担当しているのは八代弥七段、中尾敏之六段、高野智史六段、加藤桃子清麗。八代七段、中尾六段、加藤桃清麗は静岡県出身のプロです。

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Dsc_3072(八代七段)

Dsc_3070(中尾六段)

Dsc_3069(高野智六段)

Dsc_3066_2(加藤桃清麗)

Dsc_2767_2(藤井竜王の記者会見)

――明日の対局を控えての心境。

藤井 非常に注目されるシリーズだと感じています。それに応えられる戦いをしたいと思います。

――掛川市や対局場の印象。

藤井 掛川を訪れるのは今回が初めて。先ほど検分させていただきましたが、掛川城の天守も近くに見えて、よい雰囲気の対局場だと思いました。

――七番勝負に向けての抱負。

藤井 王将戦は2日制の対局になるので、一手一手、自分なりにしっかり考えて、いい内容にしていければと思います。

――王将戦に向けての対策。

藤井 しばらく対局がなかった(昨年最後の公式戦は12月2日)ので、王将戦を常に意識して取り組んできたところはあります。王将戦に向けて序盤の研究もある程度はしてきました。

――渡辺王将は「半年間ほど準備してきた成果を試してみたい」と話していた。その点についてどう思うか。

藤井 これまで棋聖戦で2回対戦していますが、今回は2日制ですし、これまでとは違った戦いになるのかなと思います。自分もしっかり対応できるようにやっていきたいと思います。

――初戦の意気込み。

藤井 自分自身、公式戦の対局は久しぶりになりますけど、持ち時間が各8時間と長いので、一手一手集中して指せればと思います。

――渡辺王将の1日制と2日制とでは違いは感じるか。

藤井 渡辺王将は対局を見ていてもタイムマネジメントが巧みだという印象を受けることが多いです。特に2日制だと封じ手のタイミングなどもあるので、そのあたりはこちらも慎重にというか、しっかり対応しなければいけないと思っています。

――渡辺王将が掛川対局で負けがない。そのことは知っていたか。

藤井 初めてうかがいました。知りたくないことを知ってしまったと思うんですけど(笑)、自分自身は掛川で初対局になりますので、フラットな気持ちで全力を尽くしたいと思います。

――三冠と四冠のタイトル戦は史上初。藤井さんにとっては冬のタイトル戦も初めて。体調管理やモチベーションについて。

藤井 自分としてはタイトルの数を意識することはないかなと思っています。今回の王将戦は非常に注目していただけるシリーズだと思うので、それにふさわしい将棋にできるように頑張りたい。自分自身は冬のタイトル戦は初めてになるので、気温や体調には気をつけたいと思います。

――渡辺さんとのタイトル争いは、しばらく続くと思う。このシリーズはどのように位置付けるか。

藤井 渡辺王将と2日制のタイトル戦を指すのは初めて。これまでとは、また違った強さを感じることになると思います。しっかり対応して、その経験を生かしていきたいと思います。

――渡辺王将のどのあたりを作戦家だと感じるか。

藤井 序盤の定跡だけでなく、その後の流れも含めて一局をうまくコントロールされている印象があります。そこは自分にない部分だと感じています。

――渡辺さんも藤井さんも将棋ソフトをフルに活用していると聞いている。この半年間でも将棋が進化していると感じるか。

藤井 ソフトを使った研究によって、定跡に関しても新しくなってきたところはあると思います。それ以外の部分でも、ソフトの強さを少しでも取り入れられるように取り組んでいるので、今回もそういったところを少しは出せればと思っています。

(書き起こし=牛蒡、撮影=紋蛇)

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(渡辺王将の記者会見)

――明日の対局を控えての心境。

渡辺 こちらに来て検分と会見をやって、いよいよ始まると感じています。(掛川は)何回も指しているので、快適に指せる場所だとわかっています。将棋に集中できる環境を用意していただいていると思っています。

――七番勝負に向けての抱負。

渡辺 藤井さんは非常に勢いがあり、昨年もタイトルを増やされて、当然ながら厳しい相手です。タイトル戦で当たるのは昨年の棋聖戦以来で、それから半年ほど空きました。その間に取り組んできたことを出せるか、自分でも見ていきたい。そういう位置付けの番勝負だと思っています。

――2日制であること、直近の藤井戦に勝っていること、掛川対局で渡辺王将は6戦全勝ということ。この3点は過去のタイトル戦とは違う何かを与えているか。

渡辺 2日制は自分にとってアドバンテージではなく、2日制で藤井さんと対戦するのが初めてということにすぎない。どういったペースで指し手が進むか、どういう流れで進むか、明日やってみて何となくとらえていきたい。
棋聖戦のあとの藤井戦もけっこう前(9月)ですし、条件も違います。2日制の長い持ち時間でどうなるか、また新しい気持ちでいます。掛川対局は5局以上指しているなかでは数少ない縁起がいい場所なので、いいイメージで臨めると思っています。

――「藤井さんは厳しい相手」という発言があった。どのあたりが厳しいと感じているか。

渡辺 タイトル戦で2回戦って、自分から見ると結果が出ていない。昨年の棋聖戦はストレートで負けた。それを踏まえての今回。藤井さんはまだ10代で、これからも進化されていくと思う。自分のほうが年齢が上なので大変な相手だと思います。

――初戦の意気込み。

渡辺 七番勝負は長丁場なので、初戦に特別こういう入り方をしたい、という考えはない。2日制で1局やってみての感触というか、2局目以降につながっていくような内容の将棋にしたいです。

――四冠対三冠は史上初の戦い。このシリーズをどのように位置付けるか。

渡辺 将棋界が八冠になってから間もないこともあり、そういう数のタイトルを持ち合ってのタイトル戦というのは、言われてから初めて気づきました。注目度が高いので、期待に応える将棋を指さないといけないという責任感、緊張感はもちろんあります。

――これまでは年上とのタイトル戦が続いた。今回は下の世代の藤井さんと3回目のタイトル戦となる。自身のなかで変化はあるか。

渡辺 自分は上の世代の方々が指した将棋を勉強し、そういう方々に挑戦してきました。自分が30代になってからは、年下の方との戦いがほとんどです。技術的にも新しいものが出てきて、自分がやってきたことが古くなり、対応が難しくなっていく。年長者の難しさはすごく感じています。

――昨年は藤井竜王と豊島将之九段のタイトル戦が多かった。その対局を見ていて、自分の将棋に生かせるものはあったか。

渡辺 もちろん注目して見ていました。豊島さん側の視点に立ち、藤井さんとどう戦うかを見ていたが、豊島さんと自分はタイプも違いますし、参考になるようでならない、というのが正直なところかと思います。

――昨年の棋聖戦から半年ほど空いた。王将戦に向けて、どのように取り組んだか。

渡辺 昨年の棋聖戦で結果が出なかったので、次に対戦したらどういう感じでやるかと何となく考えていました。11月に藤井さんの挑戦が決まり、そこから漠然とやってきたことを具体的に詰めてきた感じです。半年もないくらいの期間なので、そこまで大きく変わることはないと思いますが、その成果がどれくらい出るか、自分でも見たいと思っています。

(書き起こし=牛蒡、撮影=紋蛇)