終局後、両対局者にインタビューが行われました。
――2勝0敗で迎えた本局は角換わりになりました。後手でしたが、この戦型選択の印象はいかがでしたか。
藤井 角換わりになれば、本譜の形になると思いました。
――1日目の進行についてはいかがでしたか。
藤井 馬を作る展開になりましたが、8五桂が負担になる駒でどういう風にまとめればいいかがわかりませんでした。本譜は少し自信がないだろうと思いながら指していました。
――92手目に金桂両取りの2八ではなく、△2九飛と打ちました。
藤井 △2八飛は▲1七角△4八飛成▲2六角打のときに飛車を取られてしまいそうな形で、形勢が悪いと思ったので△2九飛で手を渡しました。自信はないですがどれくらい頑張れるかという進行だと思いました。
――98手目△3六歩では△5五歩で千日手もあるのではといわれていました。
藤井 千日手もあると思いましたが、▲3六桂と攻められてもどう受ければいいかわからなかったので、本譜は△6六桂(108手目)に期待しました。ただ、進んでみると薄い形だったかなと思います。
――▲4四桂△同玉(114手目)と進みました。玉が上がるのは危険という見方もあったと思います。
藤井 ▲4六馬△4八歩成▲4五飛△3四玉のときに後手玉が寄っていてもおかしくないと思いましたが、具体的にはわかりませんでした。
(注:ブログ記事「先手よしの見解」
https://kifulog.shogi.or.jp/ousho/2025/02/post-a03f.html
「検討が進んで…」
https://kifulog.shogi.or.jp/ousho/2025/02/post-77e5.html
で紹介したように、114手目△4四同玉に▲4六馬とする変化は、当初控室で先手よしとみられていたが、のちに後手玉への寄せが難しいと判明した)
――手応えがあったのでしょうか。
藤井 わからなかったのですが、簡単に寄る感じではないと思っていました。
――形勢が好転したとどこで感じましたか。
藤井 こちらの玉は危ない形が続いて最後までわかりませんでしたが、△3七歩成(126手目)と成ったときにこちらの玉が寄らなければと思っていました。
――3勝0敗になりました。
藤井 スコアのことは意識せずに臨みたいと思います。
(永瀬九段は藤井王将のインタビュー中に考え込む時間が長かった)
――1日目に角換わりを採用されました。進行の判断はいかがでしたか。
永瀬 難しいかなと思っていました。
――封じ手開封以降はいかがでしたか。
永瀬 封じ手は考えた選択肢に入っておらず改めて考える感じになりました。
――昼食休憩あたりの判断はいかがでしょうか。
永瀬 ▲6五歩(93手目)の局面は少し指せていてもおかしくないと思いました。
――午後の戦いはいかがでしたか。
永瀬 (97手目▲3七角に)△5五歩とされない気が…。本譜でどうかなという感じがしていました。
――本局を一局通しての感想についてお聞かせください。
永瀬 終盤でちぎれてしまったのと経験値が足りていない部分があるなと感じるところがありました。
――0勝3敗となり、あとがなくなりましたが、第4局への抱負をお願いします。
永瀬 一局一局勉強になっていますので、精いっぱい準備したいと思います。