参考図は直前の記事(先手よしの見解 https://kifulog.shogi.or.jp/ousho/2025/02/post-a03f.html)で触れた進行です。ここで△2四玉は▲3三銀の好手で先手勝ちと結論づけられていました。ところが、参考図で△4二玉とかわすのが難敵とわかりました。▲6六馬の開き王手でボロッと桂を取られてしまうためやりにくいのですが、▲6六馬に△4三歩と受ければ6六馬取りや4九香取りになって先手が忙しいのです。また、△4二玉に▲6二銀成も△4三歩▲5二成銀△同銀▲5一銀△3一玉(△同玉は▲6二金から寄るため逃げるのが正しい)で後手玉を寄せるのが大変です。
少し前は先手よしとみられていましたが、検討が進んで参考図での△4二玉が発見されたことにより、その見解が揺らいでいます。
下の図で▲4六馬とすれば上の参考図に進みますが、永瀬九段は22分使った末に▲3八銀。▲4六馬では勝てないと判断してまき直しをはかりました。水面下で非常に高度が読み合いがなされていることがうかがえます。
2025年2月 6日 (木)