対局1日目は仕掛けに至る前に封じ手になる、との予想もありましたが、ここで久保九段が仕掛けました。
(笑顔が多い桐山九段だが、このときは棋士の眼差しを盤面モニターに向けていた)
「△6五同桂▲同歩△同銀だと▲7三角がありますし、この▲6五桂を放置すると▲5一角が気になりますね。対して△7二飛では受けただけになりますので、▲8六歩と攻められることも後手は考えなければなりません。久保さんとしては、動いたからにはもちろん成算があるのだと思います。非常に悩ましい局面ではありますが、どちらかを持つとするならば、私は先手ですね。ここは形勢に優劣がつくであろうところなので、郷田さんも長考すると思います」(桐山九段)
桐山九段が見解を示したあと、実戦は△6五同桂▲同歩△同銀と進みました。
「後手は46手目△6五同桂以外の手だと守勢になってしまうので、敵の手に乗って反撃しようと。狙いはどこかで△5五歩です。ただし▲7三角がありますので、すぐに成立するかは難しいところですが。お互いに指せると見ているはずの激突ですから、これは面白いですよ」(桐山九段)
「45手目▲6五桂は決断でしたね。これはもう千日手になる心配はなさそうです」(北浜八段)