2017年1月22日 (日)

前夜祭(2)

【主催者あいさつ】

Img_3034_0_zenya_s02 (渡会文化 毎日新聞社専務取締役大阪本社代表)

「皆さんこんばんは。毎日新聞の渡会です。本日は第66期王将戦第2局の前夜祭に、こんなにたくさんの方に集まっていただきました。ありがとうございます。いま、開会の挨拶にございましたように、この尼崎の開催は2年連続2回目でございます。昨年、尼崎市制100周年ということでやっていただきました。世の中、大体一年が終わったらすぐに忘れ去られるものですが、さすが尼崎市でございます。ちゃんと101年目もやるんだと実行委員会は動いていただきました。今朝の毎日新聞の阪神版によりますと、稲村市長が「復元した尼崎城で王将戦をやるんだ」と、101周年目の王将戦がその正に後押しになればと思っております。皆さんご承知のとおり、今期王将戦は郷田真隆王将に、元王将の久保利明九段が挑戦するという新旧王将対決になりました。郷田王将は昨年、羽生善治名人の挑戦を退けて、ご自身初めてタイトルの防衛に成功いたしました。そして8月には結婚という場外タイトルも獲得されました。非常に充実しており、3連覇を狙っていると思います。挑戦者の久保九段は第59、60期王将。したがって6期ぶりの王将の返り咲きを狙っております。皆さんご承知のとおり、この地元兵庫県の加古川の出身でございますから、これは負けられないなあという感じだと思います。その注目された第1局は先日、掛川で行われ久保九段が得意のゴキゲン中飛車で先勝いたしました。そのあとの第2局、いまタイトル戦でなかなか振り飛車を指す棋士が少ない中、堂々と「振り飛車でいきます」と戦術を明らかにされました。明日からの対局が本当にどんな内容になるのか楽しみですし、全国の将棋ファンが注目していると思います。さて皆さん、将棋界は昨年からのごたごたで、先日は谷川浩司会長が辞任するという、本当に激震が走っております。私も残念でなりません。しかし一方で『聖の青春』とか『3月のライオン』とか、将棋をテーマにした映画やアニメが大変評判よくて、若い人たちが将棋に興味を持ってくれています。今度『3月のライオン』は映画になりますけども、『聖の青春』も『3月のライオン』も毎日新聞が出資しておりますので、是非ご支援をお願いしたいです。また先日には史上最年少、14歳中学生の藤井聡太四段がデビュー戦を飾るという、そんな嬉しいニュースが伝わっております。20代の棋士たちも力をつけています。40代の郷田王将、久保九段もうかうかしていられません。明日からの対局で素晴らしい棋譜を残していただいて、次の世代を担う若い人たちの模範になっていただきたい。そして何よりも、この王将戦が将棋界の新しいスタート、新しい年の出発になってほしいなと願ってやみません。最後になりましたが、尼崎開催にご尽力くださいました王将戦実行委員会の皆さん、将棋普及実行委員の皆さん、尼崎市の皆さん、そして会場をお貸しくださいました都ホテルニューアルカイックさまに改めてこの席で御礼申し上げまして私のあいさつとさせていただきます。本日はありがとうございました」

Img_3046_0_zenya_s03_2 (石井真人 スポーツニッポン新聞社取締役大阪本社代表)

「石井でございます。昨年に続いてまたあいさつをさせていただきます。昨年と変わったことと言いますと、尼崎市が100周年から101周年になったこと。昨年は稲村市長が和装でいらっしゃいましたが、昨年は確か(開会前のセレモニーが)バイオリンで、それについて語ったりしたのですが、さすがに今年の琉球舞踊と三味線は……すみません、ぐうの音も出ません。何も語れません。私事ですが、3日前にある会合で和食の鉄人・神田川(俊郎)さんとお話をしました。神田川さんは普通にしていると、どこにでもいる普通の方なのですけど、食を語らせると、短く語っても素材と創造力と最後にどう仕上げて、どう楽しんでもらうかの組み合わせを簡単な言葉でおっしゃるんですね。昨日は中京競馬場でスポニチ杯があって行ってまいりました。そこで騎手の方、馬主の方と表彰させていただくのですが、騎手の方はやっぱり自分がどこからスタートするのか、どういう馬でどういう騎手がいるのか、すべて展開が頭の中で予想していて凄いなと。やっぱり神田川さんも騎手の方も、皆さんそういう服装というか身なりをしていないと全然普通の人に見えるんですね。きっと街で会ってもすれ違ってしまうだろうなと。ただやっぱり『その道』の人たちというのは、それぞれイマジネーションというものがあるんだろうなと。郷田王将も久保九段も、将棋絡みでないことを話すとなると、久保九段とゴルフをしたときの話ぐらいしかないのですが、先日、スポニチがお手伝いさせていただいたイベントがありまして、久保九段が裏方を務めて、そこに郷田王将も参加してくださったところで本当に素顔が見えまして、素顔が見えるイコール『将棋を指していらっしゃらないときは、やっぱり普通の人なんだな』と感じました。明日、明後日に繰り広げられます素晴らしい展開は、スポーツニッポンで皆さまの元にお届けしますので、是非コンビニでお買い求めくださり、いいなと思ったら宅配で、毎日新聞の販売店に電話をかけるなり、いろいろしていただければと思います。最後になりましたが、尼崎将棋普及実行委員会の皆さま、尼崎王将戦実行委員会の皆さま、ご協賛いただきました囲碁将棋チャンネルを始め、関係各位の皆さまに深く御礼を申し上げましてあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました」

Img_3052_0_zenya_skubo (あいさつに笑顔を見せる久保九段)

Img_3054_0_zenya_sgouda (同じく郷田王将)

Img_3058_0_zenya_s04 (井上慶太 日本将棋連盟理事)

「皆さんこんばんは。日本将棋連盟の井上です。今日は外は寒いと思うのですが、この会場は熱気でいっぱいですね。この第66期王将戦におきまして毎日新聞社さま、スポーツニッポン社さま、そしてこの尼崎対局は、尼崎市実行委員会、並びに将棋普及委員会ほか、関係各位、皆さんに大変お世話になっております。私も尼崎市制100周年で無事に終わってよかったなあと思っていたのですが、101周年も開催していただけるとのことで、尼崎城ができる平成30年までは続けていただければとお願いしたいと思います。先ほどスポーツニッポン社の石井代表からもお話がありましたが、関西に「将棋まつり」というものが久しくなかったのですが、昨年9月に「ちゃやまちプラザ」という、毎日放送の本社の前の広場で将棋まつりを2日間開催することとなりました。これは今期の挑戦者である久保さんが、関西で長らく将棋まつりが途絶えていましたので、どうしても復活させたいということで、打ち合わせとかあいさつ回りとか、企画にずいぶんご尽力されました。そのまつりに東京から是非ともトップ棋士を呼びたいとのことで、郷田王将と藤井(猛)九段に来ていただいたわけです。関西の将棋ファンは滅多に見ることできないトップ棋士、特に郷田王将には2日間ファンサービスに努めていただきまして、大成功に終わりましたので、この将棋まつりも第2回が開催される予定でございます。前回の将棋イベントでは素のおふたりが見れてよかったのですが、このタイトル戦では真剣勝負で全国のファンを魅了していただけると思っております。おふたりの将棋は本当に豪快で、派手で、非常に面白いシリーズになるのではと思っております。明日からの熱戦を期待して将棋連盟からのあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました」

 

(主催者あいさつ書き起こし=夏芽記者、撮影=虹)