2025年8月25日 (月)

17時開始予定の検分が準備ができ次第となり、若干の前倒しで行われました。

Ke01 (藤井聡太王位)

Ke02 (永瀬拓矢九段)

Ke03 (照明の具合を確かめる両者。若干の調整が行われた)

Ke04 (調整後。永瀬九段は念入りに周囲を確認していた)

Ke05 (検分は10分弱を要して終了した)

藤井聡太王位(七冠)に永瀬拓矢九段が挑戦する、伊藤園お~いお茶杯第66期王位戦七番勝負(主催:新聞三社連合、日本将棋連盟、特別協賛:伊藤園)は藤井王位が3連勝のあと、永瀬九段が1勝を返しました。第5局は8月26日(火)から27日(水)にかけて、渭水苑(徳島県徳島市)で行われます。持ち時間は各8時間。先手は永瀬九段です。対局開始は9時。昼食休憩は12時30分から13時30分まで。1日目の18時を過ぎると手番の棋士が次の手を封じます。立会人は森内俊之九段、副立会は武市三郎七段、記録係は松岡杜都初段(中田功八段門下)、現地大盤解説会は解説を武市七段、聞き手を島井咲緒里女流二段(LPSA所属)、観戦記担当は諏訪景子さんがそれぞれ務めます。

棋譜・コメント入力は夏芽、ブログは飛龍が担当いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

Bri (徳島県を窓口に四国と淡路島を結ぶ大鳴門橋)

Toku01 (徳島市も晴れ。明日も晴れの予報)

2025年8月20日 (水)

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(終局直後、口頭で感想戦を行う両対局者)

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(インタビューが行われる)

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(勝った永瀬拓矢九段)

【永瀬拓矢九段インタビュー】
--戦型は角換わり腰掛け銀になりました。1日目の流れを教えてください。
「△3二玉(64手目)までは予定通りでした。その後は力戦模様となり、自陣が不安定で、先手の陣形がまとまっていて、どれだけ対抗できるかどうかが焦点だと思っていました」

--2日目午前中、△8八歩(74手目)からかなり激しくなり、△4七角成(78手目)▲同金△7四桂のあたりから攻め合いになりました。
「誘発させられている感覚はあったが、▲8二飛(77手目)と打たれるのは仕方ない面もあって、難しい局面だと感じていました」

--中盤から終盤の判断はいかがですか。
「8二飛-8四飛の形で△7三銀(90手目)を打つ組み立てで、どれくらいかはわからなかったものの、どこかで△6三銀引のような形に組む形に期待していました」

--△1二金(102手目)と受けたあたりは。
「△1二金では△7二銀からの変化を選ぶべきだったかもしれないですが、▲4一角には△1二金から考える組み立てだったので△1二金と指してしまいましたが、▲2六桂(107手目)で自玉が薄かったため、よくない手だったかもしれません」

--▲3四桂(117手目)と跳ねられても指せるという判断があったのかと思いますが、最終盤はどのように見ていましたか。
「いえ、▲8六竜(115手目)が見えていなかったです。△6五角(116手目)は本意ではなかったですが、他の手も自信がなかったので、最も難しいと思われる順にしました」

--一局を振り返ってください。
「角換わりの定跡形で△3三銀(52手目)と手順を入れ替える工夫を試みたのですが、相手の指し手次第でかなり激しくもなります。本譜のようにペースを落とした駒組みにして囲える展開にしましたが、堅くなっているかわからないので微妙かもしれないと思っていました」

--次局へのをお願いします。
「次局につなげることができたので、しっかりと準備して臨みたいです」


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(敗れた藤井聡太王位)

【藤井聡太王位インタビュー】
--封じ手までの流れを教えてください。
「△3三銀(52手目)と上がられた局面で、▲8五歩や▲9七桂など積極的に動く手も検討しましたが、見通しが立たなかったです。本譜は▲4九飛(59手目)のあたりは少し消極的な指し方になってしまったと感じていました。封じ手のあたりは自信がなかったので、▲9一角成(67手目)では▲9一桂成のほうがよかったかもしれないです」

--2日目午前中は斬り合いになりました。
「思っていた以上に自玉が薄い形で、見通しが甘かったです。▲4二馬(75手目)に代えて▲4五歩とか、斬り合いにならないようにしなくてはならなかったです。そのあとは、チャンスのない展開になってしまいました」

--△7三銀(90手目)と飛車の両取りをかけられた後に▲5三金(93手目)から厳しく迫りましたが、そのあたりはいかがでしたか。
「本譜で余されているので、前の選択に問題があったと認識しています」

--△1二金(102手目)はどう見ていましたか。
「△1二金という受けは予想していなかったですが、▲4三香のような筋が利かないと相当苦しい形勢になったと感じていました」

--▲2六桂(107手目)からの攻め合いはどのように見ていましたか。
「一旦は折り合うような形になったが、駒損で玉も薄いため、形勢としては最後まで厳しい局面が続いたと思います」

--本局全体を振り返ってください。
「中盤戦は選択肢が多く難しい将棋でしたが、距離感を誤ってしまい、致命的になってしまったかなと思うので、判断が甘かったと感じています」

--次局への抱負をお願いします。
「すぐにあるので、しっかりと気持ちを切り替えて頑張りたいです」

Oui202508190101130図の局面で藤井王位が投了しました。終局時刻は19時22分。消費時間は▲藤井聡7時間59分、△永瀬7時間16分。永瀬九段が待望の初勝利で、シリーズ成績を1勝3敗としました。第5局は8月26・27日(火・水)に徳島県徳島市「渭水苑」で行われます。