2026年5月 8日 (金)

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▲服部-△杉本和戦は手を出しづらい格好から、お互いに強気の手を繰り出し、それぞれが敵陣突破を実現させて、一気に終盤戦の様相。勝ちやすさでは穴熊に分があると思われますが、後手としても急所の端攻めを炸裂させれば一気に先手陣を弱体化させられる形でもあり、まだまだ勝負の行方は分からないといっていいでしょう。

理想として、後手は好機に端攻めを実行、先手は端攻めを阻止するか間に合わせずに寄せきるか。それぞれ理想の展開に持ち込もうとして、実現した側が勝機を得ることになりそうです。

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▲阿部光七段ー△佐々木大七段戦は7五の飛車を7四に引いたところ。一見はと金を作った先手がよさそうですが、歩切れで▲1二歩が打てないため簡単ではありません。▲8六金の補充には△2四角の切り返しが怖いところです。

Dsc_3887(佐々木大七段はうまくバランスを保てるか)

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紅組の▲齊藤優-△永瀬戦は、本格的な戦いが始まりました。上図は永瀬九段が△5四角と打った局面です。後手は次に△7六角と取ったあと、△8七角成▲同金△同飛成の8筋突破を狙っています。先手の受けが難しい局面に見えましたが、齊藤四段は▲8六歩△同飛▲9八角!(下図)と進めました。

Oui20260508040155▲9八角が気づきにくい端角で、後手からの攻めに備えました。△7六角には▲同角△同飛▲8七金で飛車を捕まえて先手よしとなります。△9五歩と突いても▲5五歩の催促があり、後手の端攻めは間に合いません。意表を突かれてか、永瀬九段は長考に沈みました。

Dsc_0055(齊藤四段は気づきにくい端角を放った)

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▲服部-△杉本和戦は後手が2筋を押し返し、安定した桂を活用でさばきやすくなってきたところ。3七から▲5九角と引いたのが面白い手。△4六歩に対して受け駒を減らしているものの、実際に△4六歩とされたら▲6八角で切り返せます(△4七歩成には▲2四角)。受けを放棄しているようで、実は牽制しているのです。

後手の有効手が難しい局面。形勢も難解な状況が続いています。

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(服部七段は軽い身のこなしで牽制)

Oui20260508020149図は▲佐々木勇-△古賀戦の14時50分頃の局面。先手の攻めに後手が対応する展開です。先手は馬を作っていますが、後手も現局面で(1)△2二銀や(2)△4四歩といったん受ければ、△5七桂打を狙えます。形勢については、後手が指せていてもおかしくなさそうです。

Dsc_4978 (古賀六段)

白組の▲藤本-△伊藤戦は、5筋の歩を交換したばかりの伊藤二冠が、すぐに△5四歩と合わせていきました。先手視点では考えにくく、凝ったつくりの指し回しです。△5四歩以下、▲同歩△4二角と引いて、伊藤二冠は△6五歩▲同歩△5四銀右と攻める含みで進めています。

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Dsc_1275(チラリと藤本七段の様子を見る伊藤二冠)