挑戦者決定リーグ最終戦、まもなく対局開始
対戦カード(紅組)
▲広瀬章人七段-△戸辺誠六段

リーグ残留決定戦となる本局。渡辺竜王が敗れた場合、勝者はプレーオフへの参加権を手にする。広瀬七段(左)は穴熊の使い手として知られるが、実際は居飛車と振り飛車の両方を指しこなすオールラウンダー。対する戸辺六段(右)は攻める棋風の振り飛車党で、戦型は対抗形が大本命。これまでの対戦成績は広瀬七段3勝、戸辺六段2勝。
△渡辺明竜王-▲船江恒平五段

紅組単独トップの渡辺竜王(左)は、本局に勝てば挑戦者決定戦進出が決まる。相手は関西の若手、船江五段(右)。プロ入り後、22年ぶりに順位戦C級2組を1期で抜けた実績を持つ。二人はこれが初手合い。竜王・王座を保持し三冠目を目指す渡辺竜王に、船江五段の力はどこまで通用するか。
△中村修九段-▲豊島将之七段

若手が集まる紅組で奮戦した中村修九段(左)は、頭角を現しつつある関西の気鋭、豊島七段(右)と対局する。中村修九段に残留の目はないが、豊島七段は他力ながらプレーオフへの可能性を残している。二人は本局が初手合い。中村修九段は後手番では角交換型振り飛車をよく指している。本局でも「不思議流」の指し回しが出るのだろうか。
※写真は今期のリーグ戦でのもの。撮影……太郎記者、文
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対戦カード(白組)
△藤井猛九段-▲牧野光則四段

初手合いが白組の優勝決定戦という大一番に。四間飛車の使い手である藤井九段(左)と居飛車党の牧野四段(右)、戦型は対抗形が有力。藤井九段は前期、羽生善治名人(当時)と挑戦権を争った。2年連続の決定戦進出なるか?
△丸山忠久九段-▲村山慈明五段

二人は残留を懸けて戦う。過去の対戦は1局あり、丸山九段(左)の勝ち。居飛車党同士、後手番の丸山九段が作戦を選ぶことになりそうだ。横歩取りか、それとも一手損角換わりか。「序盤は村山に聞け」で知られる村山五段(右)の序盤作戦に注目。
▲高橋道雄九段-△日浦市郎八段

白組ベテラン同士の対局。リーグ残留の可能性はなくなっているが、勝ちを目指すのはいつもの対局と同じだ。過去の対戦成績は高橋九段(左)2勝、日浦八段(右)2勝。両者とも居飛車党で、戦型は矢倉や横歩取りが有力。
※写真は今期のリーグ戦でのもの。撮影……梅記者、牛蒡記者、八雲記者、文
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挑戦者決定リーグ、最終戦一斉対局を中継
羽生善治王位への挑戦を目指す挑戦権決定リーグは、5月11日(金)に最終戦を迎える。この最終戦では恒例の一斉対局が行われ、紅白それぞれのリーグで挑戦者決定戦へ進出する棋士を決めることになる。2つのリーグでの現状は次の通りだ。
■紅組

前王位の広瀬章人七段をはじめ、有力若手が揃い大混戦の紅組。3勝1敗の渡辺明竜王は勝てば挑戦者決定戦進出が決まり、敗れた場合は少なくとも相手の船江恒平五段、▲広瀬章人七段-△戸辺誠六段戦の勝者による3人でのプレーオフが決まる。さらに△中村修九段-▲豊島将之七段戦で豊島七段が勝利した場合は、豊島七段を加えて4人でプレーオフを行うことになる。
リーグ残留の面では、渡辺竜王が勝った場合、渡辺竜王と▲広瀬七段-△戸辺六段戦の勝者が残留。渡辺竜王が敗れた場合は、基本的には▲広瀬七段-△戸辺六段戦の勝者と、挑戦者決定戦に進んだ棋士が残留することになる。
■白組

混戦の紅組に比べ、白組の状況はシンプルだ。3勝1敗同士の△藤井猛九段-▲牧野光則四段戦の勝者が挑戦者決定戦に進出する。リーグ残留では、藤井九段が敗れた場合は牧野四段、藤井九段の両者が残留。藤井九段が勝った場合、△丸山忠久九段-▲村山慈明五段戦の結果によって状況が変わる。順位上位の村山五段が勝ち3勝目をあげれば、藤井九段、村山五段の残留で決定。村山五段が敗れると、順位が同じである丸山九段と牧野四段が、残留決定戦を行う。
インターネット中継では、最終一斉対局6局のうち3局をリアルタイム中継し、残り3局についても本ブログで随時状況をお伝えする。
・紅組 △渡辺明竜王-▲船江恒平五段戦 担当:吟記者
・紅組 ▲広瀬章人七段-△戸辺誠六段戦 担当:紋蛇(もんじゃ)記者
・白組 △藤井猛九段-▲牧野光則四段戦 担当:烏記者
ブログは文が担当する。挑戦権、残留を巡っての息詰まる戦いにぜひ注目を。
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記者会見
感想戦終了後、(故)大山康晴十五世名人の持つ通算タイトル獲得80期(歴代1位)に並んだ羽生善治三冠(王位・王座・棋聖)の記者会見が行われました。
「当時と今とでは状況や環境がまったく違いますので単純に比較は出来ないとは思うのですが、数字の上では偉大な大先輩に並ぶことが出来たのは、非常に光栄というか名誉なことだと思っています」
――王座戦の防衛戦も行っていて、タイトル獲得81期の新記録が懸かっています。意気込みを聞かせて下さい
「この王位戦もそうですし、王座戦もそうなのですが、若い20代の人たちが台頭していて、一局勝つというのが最近は大変だなとしみじみと実感することが多いです。もちろん記録が懸かっているというのはあるのですが、それ以上に私自身も新たにいろいろと研究・勉強しながらいまの将棋を理解して、それにプラスして自分の個性を出せたらいいなと思っています」
――永世七冠や通算勝ち星などいろいろな記録があると思うのですが、どの記録を意識しているのでしょうか
「なかなか簡単にできる記録はないので、もちろんそういったものが達成できれば達成できたで嬉しいです。ただ、実際の状況は一手ずつ積み重ねていくとか、一局ずつ積み重ねていくとか地道なものだと思っているので、特別に記録を目標とするのではなく、一生懸命やった結果としてたどりつければいいなと思っています」
――羽生さんが現在40歳で大山十五世名人は最後にタイトルを獲得したのが59歳。羽生さんが59歳までやればタイトル100期ぐらいいきそうだと思うのですが、羽生さん自身はどのように考えていますか
「50代や60代のことは先すぎて想像がつかないというところがあります。とりあえずこの1年とか2年をしっかりやれたらいいなと思っています。年齢的なことに対して、どのように向き合っていくのかというのは目の前にある課題だと思っています。それができればタイトル戦にも出場できるのかなと」
――(その課題とは)具体的にはどのようなものですか。若い頃とは違いますか
「戦術的なところで昔の将棋と今の将棋は変わってしまっているので、その辺のところを意識的にマスターしていくというか、知っていくということをしないと置いていかれてしまうという感覚があります。たとえば今期の王位戦では、広瀬さんの振り飛車穴熊という非常に強力な作戦がありました。棋譜を見ても分からないところがあるので、実際に真剣勝負で対局していく中でしっかりと感覚というか戦術を自分なりにマスターしていくことになると思います」
――逆に言うと若い頃は力まかせでいけたということですか
「ルール自体は変わっていないのですが質が変わったというところがあるので、力まかせというわけではないのですが、前と同じやりかたでは今は厳しいのかなと実感として思っていますし、今回のシリーズも特にそういったことは強く思いました」
――同世代の棋士の中で突出していますが、80期も積み重ねられた要因は心・技・体の何だと思っていますか
「何がといわれるとちょっと分からないですが、最近は割合、どんな状況になってもあまり変わらないで自然体で対局できる感じになってきているのでそれがいいのかなあと」
――(王位戦では)フルセットで2回続けて負けていたことについて、意識はあったのでしょうか
「場所がこの陣屋だったということもあって、よく覚えているということもありますし、最後の1局というのは非常に緊迫感のある中での対局ですから、いろんな思いが交錯します。今回に限っていえば、6局目が内容的にも負けの将棋でしたので、前の対局で終わっていても不思議ではなかったという、気楽とまではいえませんがそれに近い感覚で臨めました。
――長い間タイトル戦に出ていますが、一番印象に残っているタイトル戦は
「やっぱり一番最初にタイトル戦に出た時が、印象としては一番残っていますね。もう20年以上前になるのですが、それまで(タイトル戦の)会場にも足を運んだことがなかった中での対局でしたので。それはやはり一番印象に残っています。他の対局も、その場所に行ったり、写真を見たら思い出すということはありますね」
――ファンの方に今後このような羽生善治を見て欲しい、というメッセージをいただけますか
「急に、というわけにはいかないと思いますが、年代年代で少しずつ自分自身のスタイルというか、形というか、そういうものを変えていけたらいいな、ということは長い目標として持っています」
――王位戦についての印象を聞かせてください
「王位戦は、北は北海道から南は九州まで、全国各地を転戦していきますし、対局以外のところでも、いろんな場所に行けるので印象に残っています。今回も初めて行く場所がありましたので、王位戦なんだなあとしみじみ感じましたね(笑)」
――今後の目標を聞かせてください
「棋士の生活と言うのは非常に長いので、長期的なスパンの中でどれだけ力を発揮できるか、どんなものが残せるか、そういうものだと思っています。あまり過去のことにこだわるのではなく、いまあるもので、できることをやっていく。それが自分自身のスタイルみたいなものにつながればいいなと思います」
(八雲)







