お~いお茶杯第66期王位戦七番勝負第2局 Feed

2025年7月15日 (火)

15時を回って、午後のおやつが出されました。藤井王位は紅茶とオレンジのベリーヌ、アイスレモンティー。永瀬九段はカルマ、マンゴジュース、パインジュース、アイスミルクティー。永瀬九段の頼んだカルマはチョコレートムース。中にはバニラブリュレとフランボワーズソースが入っています。
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中の坊瑞苑は、明治元年(1868年)に梶木源治郎が温泉旅館「中の坊」を譲り受けたことから始まった、有馬温泉を代表する老舗旅館です。有馬温泉自体は日本三古泉(愛媛県の道後温泉、和歌山県の白浜温泉)のひとつとして知られ、古くから多くの人々に親しまれてきました。中の坊瑞苑は創業以来150年以上にわたり、伝統と革新を重ねながら発展を続けています。戦後の一時休業や阪神・淡路大震災など幾多の困難を乗り越え、1979年には現在の「中の坊瑞苑」として新たにオープンしました。著名人も数多く宿泊することでも知られています。近年はリニューアルを重ね、上質なおもてなしと大人のための静かな空間を提供し続けています。
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2025071554図の局面で12時30分となり、1日目の昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲藤井2時間39分、△永瀬21分。昼食の注文は、藤井王位は神戸牛すき鍋膳、永瀬九段は神戸牛肉うどん膳の大盛り。いずれの注文も世界的ブランド「神戸牛」を使用したもの。牛肉うどん膳はかつお節やさば節から取っただしに、神戸牛のうまみが広がります。通常の注文では大盛り対応は行っておらず、本局で特別に用意されました。藤井王位の神戸牛のグラム数と比較すると、永瀬九段のものは倍量になっているようです。対局再開は13時30分です。
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20250715481日目午前から戦いが始まっています。上図は▲4五桂に銀を逃げず、△4一飛と引いた局面です。銀を取られたあとの▲5一銀を消す意味があります。永瀬九段は上図までわずか18分しか消費しておらず予定内であることがうかがえます。藤井王位は一手一手に時間を費やしますが、控室では「想定の範囲内でしょう」と予想しています。
船江七段は△4一飛以下、▲3三桂成△同金に、▲3五歩や▲4五歩を候補に挙げました。実戦はそれを組み合わせて▲3三桂成△同金▲3五歩△同歩▲4五歩△7五歩と進んでいます。
Img_9536(控室に用意された盤駒)
Img_9537_2(駒は関係者のもの。熊沢良尊師作、菱湖書)
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昨日の検分終了後、両対局者は記念撮影と個別にインタビューに応じました。
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Img_9263(藤井王位)
「中の坊瑞苑では6回目の対局で、馴染み深い対局場。食事も有馬のお湯も素晴らしく、本当にいつもいい状態で対局に臨めている。永瀬九段とは今年に入って王将戦、名人戦、そしてこの王位戦と二日制のタイトル戦で続けて対戦する。二日制だと互いの読みであったり、将棋観というものが直接的にぶつかり合ったりするところがあり、非常に勉強になるいい経験ができており、永瀬九段の強さというものをより一層感じる」

Img_9273(永瀬九段)
「有馬温泉は日本でも有数の温泉地で、今回、対局で伺えるのをとても楽しみにしていた。藤井王位とは研究会でもかなり多く教わっているが、だからといって手の内が分かるわけではなく、そんな浅い相手ではない。名古屋まで行って教わるより、タイトル戦のほうが長い時間教われ、今回は二日制の8時間という持ち時間はわたしとしては望ましい。1局目で敗れてしまったのはかなり痛く、藤井王位に勝つのは大変と痛感した。明日も引き続きベストを尽くして、皆様にも見ていただくにふさわしい将棋を指したい」