第60期王位戦七番勝負第4局 Feed

2019年8月21日 (水)

187 図は8八の玉を9七に上がった局面。この手を見た阪口六段は「ついに切り札が」と発しました。後手の点数不足は明白で、相入玉にしてしまえば点数勝負で自身が勝てると見たようです。

170_2 図は170手目の局面。3度の自陣角が出た本局ですが、入玉将棋の終盤で自陣飛車が発生しました。▲8一飛△同飛▲同馬なら△5五桂を可能にしています。
本譜も上記の手順で進み、△5五桂に今度は木村九段が▲5七飛の自陣飛車で王手桂取りを掛けました。終盤、それも入玉将棋になってからの自陣飛車の応酬で、まさに死闘という言葉がぴったりの展開となっています。

 

162 図は19時26分の局面。久保九段は「現状は後手が4点足りなさそうな。4点はきついです」と解説しました。豊島王位の残り時間は2分(木村九段は17分)で、時間との戦いにもなっています。

Photo_81 (棋譜用紙は少し前に2枚目に突入している。このあと3枚目といった展開があるだろうか)

154 19時12分、辛抱を重ねてきた豊島王位がついに反撃。天王山に桂を打ち、△6七歩の攻めを見せました。久保九段は「△6七歩が入れば後手はかなり取れそうです」と、持将棋の可能性を匂わせました。

141 完全に点数勝負となった本局。図の局面で後手の見込み予想点数は23点か24点。持将棋は23点だと負けで24点だと引き分け指し直しとなり、1点をめぐる攻防になりそうです。
図から豊島王位の指し手は△1八香成。香は1四のままでも1九の地点まで利いていたところで、1三の歩を助けにいこうとしている手だと言われています。

Photo_79 (入玉将棋のポイントを記者に解説する久保九段)

Photo_80 (久保九段は「点数勝負になると、金から歩までの駒がすべて1点になるので、いかに損をしないかということが問われます。例えば突き捨てのような手段は悪手になることが多く、駒を助けながら1枚の駒で2枚以上の駒を取りにいくのが理想です」と解説した)

135_2 図は18時45分ごろの局面。木村九段の方針は後手陣の駒の入手で、「後手玉はもう捕まらないです。本局は点数勝負になりそうです。とりあえず後手は△2五玉と山を登るしかないですか」と阪口六段。どうやら相入玉による点数勝負なる可能性が高くなったようです。