第59期王位戦七番勝負第1局
2018年7月 5日 (木)
受けの変化例
図は15時頃の局面。
控室の検討陣は▲6一飛成で後手の受けが難しいと見ていました。しかし、菅井王位の選択は▲9一飛成。これには△7一歩の受けがあるため、▲6一飛成より厳しさで劣ります。そこで▲6一飛成以下の変化を再検討したところ、△6二飛と合わせる手が指摘されました。以下▲5一竜に△5三銀(下図)と引くのが好手です。この手は▲4一銀成なら△4二銀と歩を払い、▲4一歩成なら△5二飛▲同竜△4一金と攻め駒を取りながら竜を弾いて受ける狙いです。
「この変化は後手がまだまだ粘れますね。これを嫌って菅井王位は▲9一飛成を選んだのだと思います」(控室を訪れた杉本昌隆七段)
2日目午後のおやつ
後手の残り時間が1時間を切る
14時27分、昼食休憩明けから延々と考え続けていた豊島八段は、1時間15分の長考で△9九角成としました。控室で予想されていた△5五歩に比べると、▲5四飛と切る手があるためリスクの高い手ですが、ここを勝負どころと見て踏み込んだと思われます。この長考で豊島八段の残り時間は55分に。菅井王位は3時間10分残しています。