澤田六段、残り1時間を切る 図は16時20分ごろの局面。菅井七段が▲4五歩と位を保った局面です。この手を見た今泉四段は思わず「美しい」ともらしたあと、「このあと6八の金が▲5七金~▲4七金寄まで進めば、形がよすぎて後手はまったく考える気がしないと思います。もう△4五同桂と取って勝負していくんじゃないかな」と、解説を入れました。澤田六段はこの局面で考えており、残り時間は1時間を切りました。菅井七段の残り時間は1時間56分です。
平藤眞吾七段の見解 16時ごろ、棋士室に入ると、平藤眞吾七段が本局を検討しており「△9四角は▲7九飛を軽視していた可能性もあるように思います。▲4六歩と突いた本譜は先手持ちです」の見解をいただきました。 (先手持ちの見解を示した平藤眞吾七段)
先手よしの見解 菅井七段は控室の指摘通り、▲7九飛と7筋に飛車を回って対抗しました。控室では後手がうまく角をさばく順がなく、それでは変調と見て先手よしの見解で一致しています。ただし、そこまで大きな差というわけではないようです。 (継ぎ盤は▲7九飛と回った局面で止まっていた) (コンピュータ将棋に精通する千田六段は、パソコンを持参して本局を調べている)
ノータイムの端角 15時30分になろうとしたころ、菅井七段が▲4九飛と1九にいた飛車を4筋に回ると、澤田六段は文字通りのノータイムで△9四角と端角を放ちました。4九の飛車を目標にしており、次に△7六角や△7五歩を狙いにした一手です。ただし控室では▲7九飛と回ったときの継続手段をはかりかねています。そこで△7六角は▲8五桂が角桂両取り。ただ角を打ったからには動く必要のあるところで、澤田六段の真意がどこにあるのか、あるいは▲7九飛を軽視しているのか、などと話されています。
打開か千日手か 控室では再び千日手の声が上がっており、一例として▲4九飛に△4一飛といった飛車を動かしあう順です。ただ、菅井七段をよく知る今泉四段は「これは先手は千日手にはしないと思います。振り飛車を持って、自信があるように思いますので」と主張。意見が対立し、議論が活気づきはじめています。