第56期王位戦七番勝負第1局 Feed

2015年7月 6日 (月)

18時、2階コンベンションホール「有明」で前夜祭が始まりました。

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■主催者あいさつ

中日新聞社 河津市三 常務取締役編集担当

この銀波荘での対局は王位戦を2年前にやったとき、羽生さんと行方さんが対局されたときでそれ以来で、今回は羽生さんと広瀬さんとの対局ということで楽しみにしています。
(扇子を会場に広げ)この扇子ですが、今日お見えの谷川会長や羽生さんは覚えていらっしゃることだと思いますが、平成21年に王位戦が50周年を迎えた時に、東京の椿山荘で記念パーティーをやった時に作られたもので、歴代の11人の王位の名前が書かれておりまして、最初の大山さんから始まり、谷川会長や羽生さんの名前も当然入っていて私の宝物でもあります。
これがその6年前のものでして、そのちょっと後に広瀬さんが王位を獲られまして、ですから広瀬さんの名前はここにはまだありません。ただあと4年ほど経って60年記念などをやるでしょうから、その時はめでたく広瀬さんの名が12人目として入ることになります。
今回のタイトル戦は広瀬さんとしては復位といいますか、もう一度王位を獲ると。順位戦でも最後は行方さんが挑戦者になりましたが、広瀬さんが挑戦者になるんじゃないかという成績を挙げられて、20代後半というか最後に近いところで、これからますます勢いをつけられるのかなと思う次第です。それを迎え撃つ羽生さんは、現在は四冠、かつては七冠も保持され最高峰の羽生王位ということで、非常にこの対戦を楽しみにしております。

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(歴代王位の揮毫が入った扇子。2009年に作られた)

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■主催者あいさつ

日本将棋連盟会長 谷川浩司 九段

今回の王位戦は羽生さんに広瀬さんが挑戦するという、大変楽しみなカードとなりました。羽生さんと広瀬さんと言えばやはり王位戦でありまして、5年前にはこの両者によって挑戦者決定戦が行われ、広瀬さんが勝って挑戦者になり、そして深浦さんに勝って初タイトルを獲得しました。またその翌年には羽生さんが挑戦者になって、王位に復位となりました。5年前の挑戦者決定戦は私もよく覚えていますが、広瀬さんが鮮烈な終盤の寄せを見せ、全国区に躍り出たという気がします。翌年のタイトル戦もフルセットの大激戦の末に羽生さんがタイトル獲得となりましたが、大山十五世名人のタイトル獲得80期に並んだということで、非常に印象に残るシリーズとなりました。両者のタイトル戦はそれ以来ですが、広瀬さんはこの4年ほどの間にずいぶん将棋のスタイルが変わりましたので、また新たな戦い、熱戦を見せていただけるのではないかと期待しております。
この度は旬景浪漫・銀波荘様で第1局を行わせていただくことになりました。銀波荘様は創業60周年ということで、改めましておめでとうございます。5月にはちびっこ銀王戦という小学生の大会をこの会場で行っていただき、60名以上の小学生に参加していただきました。銀波荘は私も20局ほど対局を行っているとは思いますが、魅力があって、対局場に落ち着きがあって、安心して将棋に打ち込める環境であります。この素晴らしい対局場の中で、熱戦が繰り広げられることを期待致します。

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■歓迎の言葉

蒲郡市 稲葉正吉 市長

皆様、ようこそ観光のまち、蒲郡にお越しいただきました。また羽生善治王位、広瀬章人八段の両先生にお越しいただきまして、市民をあげて御礼申し上げます。
蒲郡は観光のまちでございまして、年間670万人の方々にお越しいただいております。この蒲郡で両先生にはおいしいものを食べていただき、またゆっくりとお風呂に入っていただいて、明日からの対局に向け体調を整えていただきたいと思います。
今回会場をお貸しいただいてます銀波荘さんは、何度もタイトル戦を行って来られ、「将棋の館」と言われるほどの全国でも将棋ファンに名を馳せた旅館であります。明日からの対局も大きな期待が寄せられるところであります。
広瀬八段は強豪ぞろいの王位リーグを勝ち抜かれ、また挑戦者決定戦にも勝たれ、4年ぶりのタイトル獲得に向け気力も十分なのではないかと思っております。また羽生王位におかれましては、昨年16期目の王位を獲得され、今回は5連覇をと皆様も大きな期待を寄せられているのではないかと思います。明日からの対局が将棋界の歴史に残る棋譜となることを期待します。

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■乾杯

中日新聞社 臼田信行 取締役編集局長

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(書き起こし=潤、写真=文)

本局はタブレット端末を利用した自動棋譜更新システムを使用して中継しております。消費時間が一手ごとに更新されるため、臨場感のある中継をお楽しみ頂けます。2日制タイトル戦でのタブレット端末を用いた記録は、本局が初めてとなります。

なお、使用しているタブレットは富士通製「ARROWS Tab F-03G」で、最高クラスの高精細画面と、わずか400g弱の軽さが特徴です。長時間の将棋中継に耐えうる頑丈さと電池持ちの良さを兼ね備えた信頼できる確かな逸品となっています。もちろん、将棋連盟モバイルの利用も可能です。

https://www.nttdocomo.co.jp/product/tablet/f03g/

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対局室は離れ貴賓室の一室「観月」。検分は予定の16時45分よりも早く、16時40分ごろに始まりました。対局に使用する盤や駒、照明や空調の具合を、対局者が立ち会って確認します。福崎九段が「これビー玉のせたら転がるんちゃうかな」と気にしたのは、広瀬八段の駒台。見ると少し傾いています。「駒なら大丈夫かも」と言われましたが、あとで対応されることに決まりました。検分は和やかな雰囲気で進み、5分ほどで終了しました。

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両対局者は新幹線で豊橋駅へ。駅からマイクロバスに乗り換え、15時ごろに銀波荘に到着しました。すぐに銀波荘のロビーで記念撮影。このあとは16時45分から検分の予定です。

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第56期王位戦(主催・新聞三社連合)はいよいよ七番勝負が開幕します。羽生善治王位に挑むのは広瀬章人八段。4連覇中の王者と、復位を目指す若き挑戦者の対決になりました。2011年の第52期七番勝負ではフルセットの末、羽生二冠(当時)が王位を奪取。今期はどのような戦いが繰り広げられるでしょうか。
第1局の主催は中日新聞社。7月7・8日(火・水)、愛知県蒲郡市「旬景浪漫 銀波荘」で行われます。立会人は福崎文吾九段、副立会人は松尾歩八段、記録係は荒木隆三段(森信雄七段門下)、現地大盤解説の聞き手は室田伊緒女流二段。日本将棋連盟モバイルのTwitterアカウントでは、1日目に神谷広志八段、2日目に宮田敦史六段が解説を行います。
インターネット中継は棋譜・コメント入力を潤、ブログを文が担当します。よろしくお願いいたします。

【中日新聞(CHUNICHI Web)】
http://www.chunichi.co.jp/

【愛知県 西浦温泉 旬景浪漫 銀波荘 [公式HP]】
http://www.gimpa.co.jp/

【日本将棋連盟モバイル(Twitter)】
https://twitter.com/shogi_mobile