第55期王位戦七番勝負第1局 Feed

2014年7月 8日 (火)
2014年7月 7日 (月)

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(中村修九段、杉本七段、井道女流が今期王位戦の見どころを語る)

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中村 私は東京出身なんですけれども、両親が富山県の高岡でして、親戚が多いものですから、新幹線が通ると嬉しいですね。助かります。
杉本 今回副立会を務めます杉本です。明後日の大盤解説会で解説をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
井道 井道と申します。地元珠洲の出身ということで、今回輪島にも聞き手としてお招きいただきました。今回すごく緊張しているんですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
中村 今回は6種類くらいお酒をいただいたんですが、木村さんは「大丈夫」と自制していました。勝負に気合が入っていました。明日は居飛車党二人の対局ですので、1日目の見どころは4手目まで。4手目で作戦が決まるのですが、横歩取り、相掛かり、矢倉、角換わりのどれかですね。
杉本 振り飛車はありますか?
中村 ないです! 断言します。振り飛車やったら立会やめます。杉本さん副立会をお願いします。すみません。
杉本 今回はリーグ戦から波乱の展開で。挑戦者決定戦も若手が相手でやりにくかったと思うんですが。実力を発揮したということで、万全の挑戦ではないでしょうか。
中村 でも羽生さんの最近の勝ち方はなんですか。今何連勝くらいしているんですか? え、11連勝。私昨日実は神谷広志八段の八段昇段パーティーにいったんですが、神谷八段といえば28連勝。これ破られないと思っていたんですが、羽生さんは七冠ではなくてこっちを狙っているんじゃないかと。これまでの名人戦、棋聖戦とストレートですからね。ちょっと怖い感じがありますよね。
杉本 木村さんといえば「受けの木村」です。中村先生も「受けの青春」……。
中村 いやいや、彼とは全然受けのタイプが違うんです。私はただ殴られても殴られても受けているだけですが、木村さんはわざと殴らせてその反動を利用して殴り返すという、積極的な受け。二人の攻めと受けというのが、どういった形になるのか注目ですね。先後でどちらが主導権を握るのか注目ですね。
中村 井道さんはどうですか。
井道 将棋のことはわからないんですけども……。
中村 何がわかるんですか?
井道 まず、おやつです。私は石川の和菓子がすごい好きなので。また珠洲では泉谷の芋菓子がすごい好きで、よく食べてまして。対局者がどういうおやつを食べるのか気になります。あとお皿がどういうものか……輪島塗のお皿かもしれません。私は最近茶道を習っていまして、漆器とかにも少し目が行くようになったので、将棋も、そのほかの地元のことも楽しみに来ています。
中村 いろいろなことが宣伝になればいいですね。

書き起こし=文、写真=野辺

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■羽生善治王位
7月に入りまして、いよいよ王位戦が始まるんだなあという緊張感をいま迎えているところです。石川県には10回以上来ているんですけども、こちらの輪島には今回初めて来ました。ありがたいことにですね、いろいろな場所で、将棋の対局が行われるわけですけれども、日本にもまだまだ知らないいい場所があったんだなということを感じました。今日、飛行機で東京から来て、景色をずっと眺めていたんですけれども、非常に自然が溢れる場所ということもあるんですが、緑色が非常に濃い場所で、「のと里山空港」という名前も今日から始まったようなんですけれども、本当に印象的でした。こちらは非常に将棋の盛んな地と先ほどのごあいさつでもありましたので、明日、明後日の2日間の対局を、観戦に来ていただいて、そうしたファンの皆さまにとって記憶に残るような将棋を指せたらいいなと思っております。

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■木村一基八段
輪島市を訪れるのは3回目だと思います。前回は7~8年前の個人的な旅行で参りました。先ほど写真撮影で行った千枚田のほうにも行きまして、そのときは非常によく晴れていまして、海が青く映えるようで、その光景を今でもよく覚えております。そのときはまさかこの地でタイトル戦を指すことができるとは思っておりませんで、不思議な縁といいますか、不思議なものを感じております。先ほど太鼓を拝見しましたけれども、見ている人を圧倒するかのような気合というものを感じました。明日は演じていただいた方に負けないくらいの気合を持って、臨みたいと思います。将棋を指す以上は当然勝ちたいとう思いがありますが、将棋に興味を持っていただいて、また輪島で王位戦を見たいなあと思っていただくことが棋士の務めではないかと思います。明日は精一杯戦いたいと思います。

書き起こし=文、写真=野辺