腹が減っては 検分終了後、控室に藤井九段がやってきた。「さて、どうするかな。難しい。ペンを貸してもらえますか」。視線の先にあるのは、食事のメニュー表だ。「和食か洋食か。おやつは、10時は入らないよね。昼食は……長野といえば? そば? うん、そばだ。これ、大盛りは利くんですか」。藤井九段は関係者と話しながら、注文表に書き込んでいく。「……なるほど、じゃあマンゴーにしよう。第一希望はマンゴーだ」。記入を終えた藤井九段は、控室を後にした。 (文)
気になる駒台 検分が終了して羽生王位が退室すると、藤井九段が駒台に視線をちらちら。駒台の向きが気になるらしい。「どう置くのがいいのかな」と、立会人らと談笑していた。 (左から藤井九段、副立会人の杉本七段、立会人の深浦九段) (文)
検分 16時、関係者が集まる対局室に両対局者が入室し、検分が始まった。将棋連盟から運んだ盤駒を確認したのち、対局室に入る光の具合を見る。問題は見当たらず、検分は無事終了した。 (羽生王位) (藤井九段) (文)
東京から松本へ 関係者一行は新宿駅から、12時ちょうどに出発するあずさ15号で松本へ出発。約2時間半で松本駅に到着した。長野県で王位戦の対局が行われるのは今回で3回目。1回目は第23期(1982年)七番勝負第1局、中原誠名人-内藤國雄九段戦。2回目は第27期(1986年)七番勝負第4局、高橋道雄王位-米長邦雄十段戦だ(肩書は当時のもの)。 (文)