第51期王位戦七番勝負第2局 Feed

2010年7月28日 (水)

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図の▲7三銀で広瀬六段が投了を告げた。投了図以下は、△7一玉▲7二歩△同飛▲同銀成△同角▲8一銀成△同角▲6一飛△7二玉▲7三歩△8二玉▲6二飛成の即詰み。手順中△7二同飛で△同角は、▲8二銀不成△6二玉▲7三馬まで。終局時刻は19時12分、消費時間は▲深浦7時間55分、△広瀬7時間59分。これで深浦王位はスコアを1-1のタイとした。

阿部四段は本局を総括して次のように語った。
「本局は序盤から見所満載でしたが、特に深浦王位の中盤の指し回しが光りました。△8六桂(72手目)を利かされた後、飛車を切って▲8七歩(91手目)から桂を取りきる発想は非凡です。さすがの中盤力だと思います。広瀬挑戦者の延々と決め手を与えず、楽にさせない指し回しも参考になります。△8六桂(72手目)~△5三角(74手目)~△3一香(78手目)~△5二角(82手目)は絶妙の手順でした。一瞬逆転の雰囲気が漂いましたが、87手目の▲4二竜の決断が勝ちにつながりました。以降は挑戦者の仕掛けた罠をかわして着実にゴールしました。先手の利を生かして終始積極的に動いたことが良かったと思います。
一勝一敗となったことで深浦王位は余裕が出ました。本局のような大胆な戦法がまた見られるかもしれません。3局目も広瀬挑戦者は振り穴で挑むと思います。戦型は深浦王位次第です。 振り穴の研究は日々進んでいます。挑戦者としてはなるべく早く決着をつけたいはずです」

第3局は8月3日(火)・4日(水)、兵庫県神戸市「中の坊瑞苑」で行われる。

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図は広瀬六段が△5九竜と王手を掛けた局面。先手の深浦王位は▲5八金と合駒をしても、▲4六玉と上部に逃げても大丈夫のようだ。控え室では「深浦さんらしくいくなら▲5八金かな。好みの問題だね」と、終局間近の雰囲気が漂う。

(文)

18時50分、両対局者とも前傾姿勢になって読み耽っている。観戦記担当の鈴木さんは、「緊迫感が増してきました。広瀬六段はともかく、深浦王位も楽観はしていないですよ」と対局室の様子を伝える。劣勢の広瀬六段が必死になるのは当然だが、深浦王位にも余裕はまったく感じられないそうだ。

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(深浦王位)

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(広瀬六段)

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図は広瀬六段が△7五歩と指した局面。動けない角を働かせたところで、現在の局面は「後手がつらい。阿寒湖です」と豊川七段。ただしここから先手が金銀桂のうちいずれかを渡すと、先手玉が詰んでしまう。また図で▲5六金には、阿部四段が△8五角▲同歩△4五桂▲同金△5六香という順を指摘している。先手は優勢とはいえ、油断しているとひっくり返されるかもしれない。深浦王位にとっては、まだまだ安心できる局面ではなさそうだ。

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(「後手がつらい」と断言する勝浦九段(左)、豊川七段(右))

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図は18時すぎの局面。深浦王位が▲5四歩と突き出したところ。後手の6三角の動きを封じている。この手を見て豊川七段は、「そうか、これで余しているのか」と独り言のようにつぶやいた。図で△8八竜は▲7八歩△7六香▲5六金。先手玉は上部に逃げ出せば広い。広瀬六段は鋭く反撃したが、現局面では深浦王位がその攻めをしのいで余していると見られている。

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図は17時40分すぎの局面。広瀬六段が△8四桂と桂を据えたところだ。2手前の△4九飛と合わせて、先手玉に嫌味をつけている。形勢は後手が苦しいとされているが、広瀬六段は相手玉に脅威を与えて楽な局面にはさせない。優勢と見られている深浦王位は、ここからどのように勝利まで持っていくのだろうか。

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