第51期王位戦七番勝負第1局
2010年7月14日 (水)
【103手目】チャット解説・佐藤慎一四段の見解
▲9六角ですか。後手から△4七竜寄と切れないのを見越した決め手ですね。ここで△4七竜寄は▲同金△3八銀▲2一飛△4二玉▲6四馬△同歩▲4一飛成△5三玉▲5二竜(参考図)までの詰みです。飛車を渡せないのであれば、△4二玉▲4一桂成△5三玉と早逃げして粘るしかなさそうです。
(佐藤慎一四段のチャット解説より)
【99手目】厳しい攻め
【90~93手目】チャット解説・佐藤慎一四段の見解
「なるほど、△5九飛はこの一手の攻め合いですね。お互い8七の角は逃げる気もないし取る気もないという感じですね。となるとやはり角を手放した先手が変調に思えてきました。これは大変な勝負ですね、先手優勢ではなくやや良しくらいです」
「とにかく▲3三桂と打ち込んでいきました。先手からの次の狙いは▲2一桂成△同玉▲2五桂と3三の地点を攻めることですね。そこで△4一桂の受けには▲5七歩と桂を拾って▲3三桂打の攻めが狙いとなります。
後手はここで△4二金右くらいしか、有効な手がないかもしれません。しかし2一の桂を剥がされるのは先手玉が見えない状況ではあまりにも痛いです」
「また手抜きで△4九桂成は、▲同金△同飛成に▲2五桂(参考図)と桂を繋いでおいて後手受けなしです。後手は▲5五馬を追い払うことができず辛いですね。先手の攻め駒は5五馬・4五歩・3四歩・3三桂と持ち駒の歩だけなんですが、これで後手に受けが利かないというのは凄いです。本来ならここで▲5五馬に働きかけたいところです。
仮にお互いの5筋の歩がない形なら、△4九桂成として▲5五馬にあてて攻めを催促できます。しかしこの局面では先手の攻めを催促する手がないので、▲2五桂の継ぎ桂で力を溜められて受けが難しいということです」
(佐藤慎一四段のチャット解説より)